こんにちは、周です。今回は中国語の話です。
数字を挟んで四字熟語が沢山あります。例えば、「朝三暮四、四捨五入、五湖四海、五光十色、五花八門、七上八下、七嘴八舌、七手八脚、乱七八槽、七情六欲、十拿九穏(準)、十室九空、十全十美」などがあります。今回は「朝三暮四」(zhao san mu si)に纏わる話を紹介します。
朝三暮四は、中国の「荘子」や「列子」に見える故事です。
ここ、「荘子」に出てくる話を紹介します。春秋時代、宋の国に狙公という、あまり繁盛していない猿回しが居ます。苦肉の策として、猿の食費を切り詰めることにします。狙公は次のように言います、「俺の甲斐性がないばかりにアガリ(利益)がここのところ少ないです。すまないですが、お前達の食事も、これからはご飯(トングリの実)を朝三杯、夕方四杯に減らさせてほしいですが……」。それを聞いた猿達が「少ない」と怒りがおさまりません、一斉にブーブーと不満の意を表しました。そこで、賢い狙公はすかさず、「それじゃ、朝四杯、夕方三杯ではどうですか」と言い直しました。すると、猿達は満足してこの条件を受け入れました。
この故事から、元々の喩えは、賢い人は言葉を巧みに使い、愚かな人は(表面にとらわれ)実情が理解できない意味です。派生的な用法でありますが、現在の中国では考え方や方針がコロコロ変わって、定まらない意味、「朝三暮四」が用いられます。
次回は中医学と関係がある「七情六欲」を紹介します。