名老中医の養生談⑫
――呑津調気、聚精斂神之二
(続き)
二 夜臥調気聚精斂神法
方法は次の通り:
① 夜寝る前、ベッドに就き、右側に向かって横たわり、身体をやや曲げる。右手のひらを右耳の下に敷く、真ん中を耳竅(耳の穴)に当てる。右足を自然に伸ばし、左足をやや曲げ、軽く右足の上に置く、左足の甲を右足のふくらはぎのところに当てる。左手のひらを下の向け、左側のお尻にある環跳穴に合わせる。
②目を閉じ、心を静かにし、全身をリラックスする。自然に呼吸し、息を鼻で吸い込み、口で吐き出す。呼吸した回数を1~10まで繰り返して黙読し、自然と腹式呼吸に切り換え、呼吸の頻度を遅く、幅度を深くする(息息帰根)。
③そこで、呼吸回数の数えるのを停止し、意念を口や鼻から下丹田に転移する。周囲の気を吸い込んで丹田へ送り、また丹田から気を全身へ布散する。だんだん呼吸のことを意識しなくなり、丹田を意識するようかしないようになる。だんだん物事や自分のことを全部忘れ、悠然と眠りに入る。
この方法は明代の『性命圭旨』にあった「臥禅法」をアレンジしたものである。李先生が「臥禅法」に中医の臓腑経絡の内容を取り入れ、ますます実用的になった。
手の掌にある勞宮穴は清心安神、調営和胃;環跳穴は疏通経絡、祛風化湿の効用がある他に、胃液の分泌に双方向の良性調節作用がある;右手の勞宮穴を右耳の下に敷くと、手厥陰経と手少陽経が相通する;左手の勞宮穴を環跳穴に合わせると、手厥陰経と足少陽経が相通する。調息と数息に従って、枢機が回転し、気血が全身の隅々まで行き届くので、陰平陽秘で、五臓六腑が調和し、四肢百骸が皆調暢である。
(李)