こんにちは、周です。今回は中薬―水蛭と楚恵王の話です。
約2400年前(紀元前400、戦国時代)、楚恵王は寒菹(中国にある漬物の一種です)を食べる時、不意に水蛭と一緒に呑み込みました。しばらくすると、不思議なことが起きました。持病の「心腹之積」が治りました。当時、「拍馬屁」(おべっか、ご機嫌を取り)の人が、こう言いましたー「行善福至」「天地報其徳」の結果です。東漢の王充が著した≪論衡≫に、「蛭之性食血、恵王心腹之積、殆積血也」と書かれています、それは「拍馬屁」の人に対する批判です。
中医学の角度から見ると、楚恵王の疾病を治したのは、水蛭です。
水蛭(スイシツ)はヒルド科Hirudidaeのウマビル、チャイロビル、チスイビルなどの全虫体です。夏・秋両季に湖泊(湖)や河川で捕獲し、日干し後、缸(かめ、はち)に石灰か花椒(防虫作用の為)を入れて、乾燥の場所に保存します。性平、味咸・苦、肝経に帰経します。破血逐瘀、消瘕作用があり、血瘀による無月経・癥瘕積聚に用います。破血逐瘀の効力が強いです。例えば、無月経、癥瘕を治療するには、桃仁・三棱・蘇木などを配伍し、消散瘀結の力を増強します。身体が虚弱者には、益養血薬を配伍し、傷正(正気を傷付ける)を防ぎます。瘀血内阻、心腹疼痛、大便不通には、大黄・牽牛子を加え、謂わば「奪命散」です。妊婦には禁忌です。近来、臨床上では血小板増多症の治療に、有る程度の効果があると報告されています。それも「破血」の功です。
古代の中国やアラビア諸国やヨーロッパでは、水蛭を用いて(吸血作用を利用します)脳出血・局部血腫などを治療します。李時珍が著した≪本草綱目≫に、その生々しい場面を書かれています。現代文献も、急性結膜炎を治療に関する報道されています:活(生きている)水蛭3条(匹)を、6cc蜂蜜に浸け、6時間後浸け液は別の容器に移し保存します、その浸け液は点眼薬として、毎日1~2滴を点眼します。380症例を観察し、治癒率は100%で、1~5日間で治ります。点眼後の副作用は少し痛みがあるだけです。慢性結膜炎・●(=奴の下に肉)肉(眼球の結膜の増殖でできた肉状の突起)にも、有る程度効果があります。
科学者に困惑させたことがあります、何故か水蛭が人を吸血する際、人は気づくことができないでしょう?研究して其の正体がわかりました。それは血を吸いながら、麻酔剤(止痛作用ある)及び抗凝血作用あるもの(水蛭素)を出すからです、つまり痛みを感じさせない、傷口(吸い口)を凝血させないで、血が水蛭の腹にどんどん注入します。また、絶技(凄い技)を持っていますー吸いながら、排尿(排泄)します。排泄器官を通じ、血液中の水分を排泄して、栄養分だけを残ります!!吸血量は自分体重2~2.5倍にも達するのです(20分間で6~10cc血を吸います)。外科医は水蛭の特徴を着眼し、切断された指・趾の再接着手術を施す際、顕微鏡手術の助手をさせますー生きている水蛭を傷口に置き、手術時の出血を吸わせます。また、水蛭から分泌される化学物は、傷口の抗炎作用・患部の血流量を増加させ、組織壊死の予防できます。