こんにちは、周です。黄帝の話です。
伝説によりますと、黄帝はその姓を姫と言い、軒轅氏・有熊氏とも称されます。
最初は一部落の長にすぎなかった黄帝は、卓越した兵術の才能によって頭角を現し、近接の九黎族・炎帝族・蚩尤族という部落との戦闘にあたっては、常に勝ちを収めて、これらの部落を併合し、部落聯盟(部落聯合)のリーダーとなりました。黄帝族は西北地区から中原地域(古代中国の中央部、黄河の中下流)へ遷移し、中原の地を統一することができました。こうした功績により、部落聯合の指導者に推挙され、最終的には、華夏族(漢民族)の始祖として崇められるようになり、黄帝の名を奉ぜられましたのであります。
また、黄帝は、「医家之祖」とされ、最初の中医学を民衆に伝授した人物であります、臣子の岐伯・雷公等との問答という形式で、中医学の礎となった典籍―≪内経≫が著わされたのです。このように、伝説的な黄帝の名に医学の奥義を託し、岐伯・雷公という副人物を配して論じられた、最古の本格的な中医学書籍で、≪黄帝内経≫とも称されます。
その他、黄帝との関わりがある原始医家を紹介します。
僦貸季:岐伯の老師(先生)と言われています。彼は望診・脈診の領域に研究して、成果を収めたのです。
岐伯:2011年5月9日のブログ記事ご参照ください。
雷公:黄帝の臣子です。医術、特に針術に堪能したと言われています。黄帝・岐伯と共同で医薬を論じ、中医学を創りました。後世は雷公の名を用いて命名した医書があります。例えば、≪雷公炮製論≫・≪雷公本草集注≫・≪雷公薬対≫。また、雷公の名を命名した中薬もあります、例えば、雷公藤・雷公頭(=香附)・雷公墨。
桐君:黄帝の臣子です、採薬(薬を採る)に従事し、薬物に優れたと言われています。≪桐君採薬録≫を著わしたが、後世に流伝されません、薬物の性味・帰経を記述したそうです。
鬼臾区:黄帝の臣子です、黄帝を補佐して、最初に五行説を発明し、脈理を討論し、難経を問答しました。
兪跗:黄帝の臣子です、外科(手術)に優れたと言われています。「湯液・薬酒・針刺・按摩・運動手足・揉擦・薬物熨貼」という常用される方法を使わず、五臓兪穴の分布情況を利用して、一旦病名を診断しましたら、直ちに「割皮解肌・疏通血脈・接続断筋・洗*(=氵に条)腸胃・沖洗五臓」を施し、病気を治しました。巫術を用いて治病し、起死回生の腕前も持っていたと言われています。
少兪:兪跗の弟、黄帝の臣子です。針灸術に長じたと言われています。
伯高:黄帝の臣子です。黄帝を補佐して、脈経を討論しました。