阿膠(あきょう)は、馬科の動物ロバの皮を水で毛など漂ってから煮て作った膠(にかわ)です。古くから、中国の山東省東阿県に産する膠でこの名付けられました。驢皮膠(ろひきょう)とも言います。阿膠の補血作用が良いです。血液中の赤血球とヘモグロビンの生成を促進する作用があるため、血虚治療の「要薬」とされます。なお、顕著な止血作用もあり、各種の出血症にも適用されます。故に、歴代の医家に補血・養血剤や、各種の出血症を治療するに必ず備えなければならない生薬とされます。特に多くの婦人科疾病に特殊な効果があります。
ここで、阿膠を使った薬膳方を幾つ紹介しましょう。
一、首烏阿膠たまごスープ
材料(1人分):製首烏10g、たまご2個、阿膠10g、調味料適量。
調理方法:①たまごを硬くなるまで茹で、皮を剥き、包丁でたまごの白身に切り口を付けます。
②首烏を綺麗に洗い、焼かんに入れ、水を加え、①と一緒にとろ火で30分位煮詰めます。
③阿膠と調味料(葱・生姜・塩・ごま油・味の素など)を加え、さらに2分ほど煮込みます。
出来上がったスープを飲み、たまごを食べます。一日一回。
効能効果:滋陰補血・潤腸通便。特に産後の便秘に適宜です。
二、阿膠鷄
材料:阿膠30g、めんどり(雌鶏)1羽、調味料適量。
調理方法:①めんどりをきれいに洗い、一口大きさに切って、熱湯でさっと湯通しします。
②鍋に①と水を入れ、とろ火で肉が軟らかくなるまで煮込みます。阿膠を加え、塩と料理酒などの調味料を加え、さらに1~2分程度煮込みます。
出来上がったスープを飲み、鶏肉を食べます。一週間に2~3回食べると良いです。
効能効果:滋陰補血。体質の増強できます。産後の気血虚弱や、心悸不眠などに適宜です。
三、阿膠蓮米糯米のご飯
材料:阿膠、蓮米(蓮の実)各15g、糯米50g、調味料適量。
調理方法:蓮米と糯米を綺麗にあらい、お椀に入れます。水と阿膠を加えてから蒸します。
出来上がったご飯を食べます。一日に1回食べると良いです。
効能効果:補腎安胎。肝腎不足による切迫性流産や習慣性流産などに適宜です。
四、阿膠豆乳
材料:阿膠10g、豆乳150ml、砂糖適量。
作り方:豆乳を沸騰させます。阿膠を入れて溶かし、砂糖で味を調えます。一日に2~3回飲みます。
効能効果:益気養血。産後の血暈(めまい)に適宜です。
(李)