手軽な中国家庭料理⑪--涼拌魚腥草
魚腥草(Houttuynia cordata Thunb.)は、日本語でどくだみのことです。ドクダミ科、双子葉植物離弁花、多年草です。やや日陰の湿った場所を好み、空き地などいたる所で群生し、開花期は6~7月で、小さな白い花を咲きます。その葉はハート形で、独特な臭気があります。
魚腥草は味辛、性微寒、肺経に帰属します。中医学では、清熱解毒、排膿、利尿作用があると認識しています。清熱解毒の作用により、便通を改善し、血行もよくなり、肌荒れ、肩こりなどの改善にも役立ち、美容にも繋がります。なお、排膿作用はおできや蓄膿症の改善に、利尿作用は膀胱炎や高血圧などの改善にもなります。
現代の研究では、どくだみの匂いのもとになっているのは「デカノイル‐アセトアルデヒド」という物質で、黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、白癬菌(はくせんきん)などの細菌や、ある種のウイルスの活動を抑える力があると言われます。その他にもさまざまな有効成分が含まれ、傷口の止血や再生にも効果があるとされています。
日本では、古くからどくだみを民間薬として用いられてきました。風邪や便秘の治療・高血圧の予防には、煎じた汁(どくだみ茶)を服用し、傷・おできなどには、生のままか、火であぶった葉を患部に貼ると良いと言われています。またお風呂に入れたりもします。
私はその独特な臭気を結構好きで、この時期になりましたら、いつも2~3回位その若葉を採り、和え物を作って食べます。ここで紹介致しましょう。
材 料:魚腥草1束(道端で採ったもの、その若葉を使います)、調味料(塩・ラー油・味の素)少々
作り方:魚腥草の若葉を綺麗に洗い、さっとお湯を通して素早くお水で冷やし、調味料で味を調えます。
* 調味料は、自分の好みであれば、なんでも宜しいです。魚腥草の独特な臭みがありますが、それになれたら、美味しく頂けます。時期的に、もう花が咲いていて、若葉が段々見つかり難くなっていますが、今年は節電で暑さと戦うので、身体を冷やす(清熱解毒)にとても良いものですよ、是非、試してみて下さい。
(李)