こんにちは、先週の土日(20日・21日)夏季講習会(その3)を行われました、ここでその内容を紹介します。
テーマ:20世紀の方剤学
担当:小金井 信宏先生
1日目は中医学から見た「慢性肝炎」について講義しました。
慢性肝炎は中医学の脇痛、積聚、黄疸、鼓脹、虚労などに属します。毒邪、疫毒が病因で、毒邪(主に湿熱邪)と正気の関係があります。治療には、中国でも・日本でも小柴胡湯を用いられていますが、何故中国では事故を引き起こさないか、両国での違いを分析されました。劉 渡舟先生、関 幼波先生、趙 紹琴先生の治療方剤も紹介されました。
私は2日目の講義を聴講しました、ここで少し詳しく紹介させて頂きます。
新しい方剤の生まれ方というテーマにスポットをかけて、講義されました。新しい方剤は、以下のように、3つの方法から生まれましたー①名方の加減や加味、②名方の合方加減、③オリジナル用薬法による。名方の「補中益気湯」を取り上げられて、胃下垂・直腸下垂・気虚下陥による腹痛・脱肛・崩漏・子宮下垂・慢性疲労性腰痛など、良く見られる疾病に用いる方剤を紹介されました。消渇病(糖尿病)について、病因・病機・分型(弁証)論治から、祝 諶予先生の「降糖対薬方」や医案まで紹介されました。
注:厚生労働省のHPから、日本の平成19年の国民健康営養調査によると、「糖尿病が強く疑われる人」の890万人と、「糖尿病の可能性を否定できない人」の1320万人を合わせると、全国に2210万人いると推定されています。そのうち、約4割はほとんど治療を受けたことがありません。