薬膳科に在学して半年で北京研修旅行に申し込んでしまったのは、単に好奇心からでした。しかし出発日が近づくと、参加者の中に友人・知人がいないこと、北京の気候が大変寒そうだとか、空気が悪いとか、治安が・・・とマイナス情報もあり、結構不安に思うことがありました。
でも参加者は皆、中医学を学ぶという共通点があり、すぐに親しい友人になることができました。お互いに得意な分野の情報交換をしたり、先輩の貴重な経験談を聞くことができたり、勉強の悩みを相談したりできました。これは事前に予想できなかった、大きな収穫でもありました。
中医薬大学で行われた講義の内容は、初学者の私にはもったいないくらいに豊かな内容だったと思います。私自身、今まで平面的にしか捉えることができなかった中医学や薬膳学について、具体的、立体的なイメージが持てるようになり、また、その奥深さも痛感しました。中医の勉強のモチベーションの急上昇に繋がったことは、言うまでもありません。
研修には柔軟性もあり、例えば、大学構内の「生薬博物館」を時間外に、私達だけのために開けていただき、貴重な展示を観ることができました。これは予定外のことでしたが、少しでも参加者の役に立てたら…との大学のご好意でした。講義は完璧な通訳をしていただけるので言葉の心配はなく、途中、疑問なところを自由に質問することもできるリラックスした雰囲気も、有難いことでした。
研修期間中は、中医の勉強に集中できる充実した環境でした。講義だけではなく、自由時間に街に出て関連書籍を探したり、中薬や薬膳食材の買出しをしたり、ホテルのテレビで中医学専門チャンネルの「健康相談」番組を見たり(番組自体は中国語ですが字幕が出るので内容は分かりやすい)…一般の観光旅行や個人旅行では得難い経験ができました。研修参加者にはリピーターが多いということも、納得でした。
蛇足ですが、無神経な旅行添乗員が旅行を仕切る「修学旅行」的なきゅうくつな雰囲気は一切なく、参加者の希望をできるだけ取り入れてくれる、本当に楽しい研修でした。私も研修リピーターになりたいと思う1人になりました。
研修の企画・立案・実施・コーディネート・通訳、さらには添乗員役まで全てに心配りをしていただいた学校の職員には心からの感謝です。本当に有難うございました。
真面目に精一杯勉強をしたつもりですが、とてもとても楽しかったのも事実です。