こんにちは、周です。今回は成語(一毛不抜)を紹介します。
一毛不抜(yī máo bù bá)の出典は、≪孟子・尽心上≫、「楊子取為我、抜一毛為天下、不為也」(楊子は自分の為にする、たとえ一本の毛を抜くことで、天下に役立つようなことがあっても、それをしようとしない)であります。戦国思想家の楊朱が「為我」「貴己」を提唱しましたが、歴史上では、彼の思想は非難され、重要視されませんでした。
髪1本抜くのさえ惜しむ、ひどくけちであることを意味します。例えば:「彼は本当にけちん坊だね」と言いたい場合は、「他很小気、真是一毛不抜!」(「小気」もケチの意味です)で表現することができます。「鉄公鶏」(tiě gōn gjī)も連用します。例えば:「他是個鉄公鶏」(彼は鉄のおんどりで、羽根1本抜こうとしない)。あまりいい意味ではないので、使う相手や場合に気をつけてください。但し、物によって、いい意味もあります。中国では、歯刷(歯ブラシ)の広告で、この言葉を使われていました。
ちなみに、反対語は、「一擲千金」「慷慨解嚢」であります。
この成語に関する故事を紹介します。
古代にある富豪が居ました。臨終の彼が、妻にこう言いました:死後、棺に入れない、穴を掘って、そのまま埋葬すればよい。お坊さんを呼ばなくてよい、私は自分で黄泉で経文を唱える。私の皮を剝して、皮匠(皮を使って、靴・カバン・ベルトを作る職人)に売ること。毛は1本も残さず、全部抜いて、ブラシ製造工場に売ること。