こんにちは、周です。今回は成語――画竜点睛(hua long dian jing)を紹介します。
竜を描いて最後にひとみを描き入れるー文章・画・話に、肝心な言葉を1つ2つ付け加えて、全体を引き立たせるを喩えます。「画竜」は竜の絵を描くこと、「睛」は瞳のことで、「点睛」は瞳を点ずるということです。
例えば、「一個好題目、常常対作品有画竜点睛之妙、激発人○(=イに門)閲読的興趣」(好いタイトルは、文章・小説などの作品に、画竜点睛という絶妙な効果があり、人々の読み興味を引き起こす)。
反対語は、画蛇添足です。
『歴代名画記・張僧繇』にある、以下の故事を紹介します。
中国の南朝・梁の時代(紀元6世紀)、張僧繇という絵師が居ました。彼の描く絵はどれも真に迫っていて、神業に近かったです。有る時、都の金陵(現在の中国南京)にある安楽寺の壁に四頭の竜の絵を描きました。その竜は、四頭とも、見事な出来栄えで、まるで生きているようでしたが、皆(竜)の目が白いままで、瞳が入ってなかったです。なぜ瞳を描かないのかと張絵師に尋ねると、「瞳を入れるとすぐ飛び去って行くからさ」と言いますが、人々はそれを信じようとしなかったです。そこで仕方なく、一頭の竜の瞳を描き入れてみせると、雷と眩しい光を発し、壁は崩れ、竜が雲に乗ってたちまち天に昇って行きました。人々は胆をつぶして震えていましたが、やっと気を取り直して壁の絵を見ると、ひとみを入れなかった三頭だけが、そのまま残っていました。