こんにちは、周です。今回は蘇東坡と中医薬の話―其の⑦です。
蘇東坡は杭州の刺史(官名、地方官の一種)に在任期間中、三台山にある寺の老和尚と仲が良くて、二人は会って詩歌を吟じます。ある初秋の日、二人の話を弾んで、深夜まで続きました。蘇東坡は山中の寺から家まで帰りました。翌朝、頭痛・鼻塞(鼻詰まり)・悪寒という風寒症状が出ました。老和尚から届けられたある中薬(生薬)を飲んだ後治りました。後に老和尚に確認したーその中薬は白芷でした。
白芷は杭州特産の地道薬材(本場の生薬である)であります。杭州の杭に因んで、杭白芷とも言います。また、気味の芳香性があるから、香白芷とも呼ばれます。
白芷(杭白芷・香白芷・川白芷とも言う)の効能を紹介します。
性味帰経:辛・温、肺胃経に帰経する
効能:袪風解表・燥湿・止痛、消腫排膿
主治:外感風寒、陽明経頭痛・歯痛、瘡瘍(皮膚化膿症)腫痛、寒湿帯下証(白帯過多)、皮膚掻痒症に用いられます。
≪本草綱目≫にこう記載されています:治鼻渊鼻衂、歯痛、眉稜骨痛。
また、「長肌膚、潤沢顔色、可做面脂」と記載してあり、歴代医家は美容薬として使われています。白僵蚕・白附子・菟絲子と配伍し、粉末して、顔パックにします(美白作用あります)。玉竹・川芎・防風と配伍し、食用醋(お酢)を加え、ペースト状にして食べます(黄褐斑の治療に有効です、黄褐斑は皮膚病の一種です)。
≪本草求真≫にこう記載されています:気温力厚、通竅行表、為足陽明経袪風湿主薬、故能治陽明経一切頭面諸疾。