霊枢・天年第五十四②―②
「得寿有九」とは、長寿になる条件は九つあるということです。『太素・巻二・寿限』の注釈は、「五藏堅固、血脉和調、肌肉解利、皮膚致密、営衛之行、不失其常、呼吸微徐、気以度行、六府化穀、津液布揚、各如其常、故能長久」について、「得寿(長寿になる)有九」と纏めて詳しく記載しています:
五臓堅固、所謂「五臓形」である、「堅」だから虚しない、「固」だから変化しない、これは得寿一である。
血脈調和、所謂「血常和、脈常調」である、これは得寿二である。
肌肉解利、所謂「外肌内肉、各有分利(外側の皮膚と内側の筋肉がそれぞれ通暢し正常に発汗などができる)」である、これは得寿三である。
皮膚緻密、所謂「皮腠閉密、肌膚緻実(防衛機能が充実していること)」である、これは得寿四である。
営衛之行、不失其常、所謂「営衛の気がその道に沿って循行する(一昼夜で50週回って、過ちがない)」ことである、これは得寿五である。
呼吸微徐、所謂「吐納気、微々不粗、徐々不疾(呼吸が穏やかでゆっくり)している」ことである、これは得寿六である。
気以度行、所謂「定めたリズムで呼吸し、呼吸の気が常度(一息で六寸)に従って運行し、一昼夜で全身を50回巡回する」ことである、これは得寿七である。
六府化穀、所謂「胃受五穀、小腸盛受、大腸伝導、胆爲中精決、三焦司決瀆、膀胱主津液、共化五穀、以奉生身」である、これは得寿八である。
津液布揚、所謂「泣・汗・涎・涕・唾など、諸竅に布揚する」ことである、これは得寿九である。
臓腑器官の上記の九つの営みが「各如其常、故能長久」、
所謂それぞれの機能が通常通りで働き続き、過ちがなければ、長生きすることは可能だということです。ここで強調したいのは、先天的な(生まれつきの)体質が勿論大事だが、後天的な(生まれつきでない)調養は人体の健康と長寿により重要であることです。
(李)