こんにちは、周です。今回は人参の話です。
人参は白参・紅参・野山参・吉林参とも呼ばれます。性味は甘・微苦・微温で、脾・肺経に帰経します。大補元気・補脾益肺・生津止渇・安神増智という作用があります。気脱による大出血・吐瀉、脾気不足による倦怠無力・食欲不振・痞満・嘔吐泄瀉、肺気虚による呼吸困難・咳嗽・息切れ・自汗、熱病の気津両傷による口渇・身熱・汗多・脈大無力、気血虚による心神不安・不眠・健忘に用いられます。
人参は補気薬の要薬です。
≪本草綱目≫にこう記載しています:治男婦一切虚証、発熱、自汗、眩暈……吐血、嗽血、下血、血淋、血崩、胎前産後諸病。
≪珍珠囊≫にこう記載しています:治肺胃陽気不足、肺気虚促、短気、少気、補中、緩中、止渇生津液。
6月上旬に、花茎を出し、小花を10~数10個付け、7~9月頃に赤い果実に熟します。陰地性の宿根草で、栽培は難しく、乾燥冷涼な気候を好み、環境・土質に対しては、極めて順応性の高い植物であります。主な産地は中国東北各省で、吉林省撫松県の生産量は最大で、品質も最高で、吉林参と呼ばれます。
人参の由来を紹介します。
伝説によりますと、雪が降った日、兄弟二人は猟のため、山に入ろうとしました。老人に阻止されましたが、聞かずに行きました。最初は沢山の獲物を手にして、遂に調子に乗り、下山するのを忘れてしまいました。急に大荒れ天気となり、大雪に阻まれて下山できなくなりました。仕方がなく、二人は洞窟に住み、野生の植物(のちに人参と呼ばれるもの)を掘って食糧として食べ続け、春を待ちました。季節が春となり、兄弟二人は下山し、村人の前に突然に現れました。二人は死んだと思われ、幽霊だと……村人が大騒ぎしました。二人は、皆に避難した際に食べた植物を見せながら、状況を説明しました。
村の長老は、その「植物」の形が人に似て、しかも人を救う・生き返らせる力があるから、人生と名付けました。年深月久(長い年月を経る)、人々は、現在に使われている人参と呼ぶようになりました。