霊枢・海論第三十三②
【原文】黄帝問于岐伯曰:余聞刺法于夫子、夫子之所言、不離于営衛血気①。夫十二経脈者、内属于府藏、外絡于肢節②、夫子乃合之于四海乎③?岐伯答曰:人亦有四海、十二経水。経水者、皆注于海。海有東西南北、命曰四海④。
黄帝曰:以人応之奈何⑤?岐伯曰:人有髓海、有血海、有気海、有水穀之海、凡此四者、以応四海也⑥。
【注釈】①余聞刺法于夫子、夫子之所言、不離于営衛血気:「夫子」は岐伯のことです。私が貴方(岐伯)に刺法を聞くと、貴方の話はいつも営衛気血の話を離さない。
②夫十二経脈者、内属于府藏、外絡于肢節:人体の中、営衛気血を運行する十二経脈は、体内では五臓六腑に所属し、体外では四肢や関節と繋いている。
③夫子乃合之于四海乎:貴方はそれら(十二経脈)を四海と結びつけられるか。
④人亦有四海、十二経水。経水者、皆注于海。海有東西南北、命曰四海:人体にも四海があり、十二経脈と対応し、「十二経水」と言う。経水は皆海中に注ぐ。なお、自然界の海は東・西・南・北の四つあり、「四海」と命名している。
⑤以人応之奈何:人体はどうして四海と相応するか。
⑥人有髓海、有血海、有気海、有水穀之海、凡此四者、以応四海也:人体は、髓海、血海、気海と水穀の海がある。この四つの海は、自然界の四海に相応する。
【説明】
本段は、人体にある「四海」、即ち髓海、血海、気海と水穀の海の名称を紹介した。四海は、営衛気血を運行する十二経脈や、五臓六腑などと繋がっていることを説明しました。
(次回へ続く)
(李)