こんにちは、周です。今回は生薬―半枝蓮の話です。
半枝蓮は、シソ科の、スクテラリア・バルバータの全草で、韓信草とも呼ばれます。性味は辛・苦・微寒で、肝・肺・胃・腎経に帰経します。清熱解毒・化瘀消癥・利小便という作用があります。跌打損傷・吐血・咯血・痛腫疔瘡・小便不利に用いられます。
中国の南方各省に分布するシソ科の植物です。各種の癌・癰瘡腫結・外傷腫痛出血(癌や外傷・化膿性疾患・各種感染症など)の治療に使用されています。現代薬理研究では、半枝蓮はアルカロイドやフラボノイドなどを含み、抗炎症・抗菌・止血・解熱などの効果があり、黄色ブドウ球菌・緑膿菌・赤痢菌・チフス菌など様々な細菌に対して抗菌作用を示し、さらに肺癌や胃癌など種々の癌に対して、ある程度の効果があることが報告されています。
日本の学者が、800種の中薬の抗癌作用に関する選別研究が発表されています。800種の中で88種は癌細胞の増殖抑制作用が90%で、半枝蓮には、JTc-26癌細胞の増殖抑制作用は、100%に達しています。アポトーシス(プログラム細胞死)誘導作用、抗変異原性作用、抗炎症作用、発がん過程を抑制する抗プロモーター作用などが報告されています。半枝蓮だけでなく、白花蛇舌草や藤梨根も、癌の中医治療に役立つ薬草であり、中国では、それらの中薬と配伍して使われています。
韓信草の由来を紹介します。
伝説によりますと、漢朝(漢の時代)の開国元勲大将である韓信は、貧しい家系の出身で、幼い頃両親を亡くして、市場で魚を売っていました。ある日、ゴロツキにやられて、重傷になりました。近所の趙というおばさんの看病(ある薬草―のちに韓信草と呼ばれるものを採って煎じて飲ませた)を受けて、10日位で回復しました。
その後、韓信は劉備が率いる軍隊に入隊し、輝かしい戦績がある将軍となり、項羽を破って、劉備を補助して、天下を取りました。彼は、兵士に対する愛情心が非常に強く、以前自分が飲んだ趙おばさん採った薬草を使い、負傷した兵士の傷を治せました。軽傷なら、2~3日で治り、重傷の場合でも、10日位で回復しました。
兵士達は、韓信に対する感謝の気持ちで、その薬草を、韓信草と命名しました(エビソート:最初は将軍草と提案されましたが、将軍は大勢居ましたので、後世の人に混乱させないため、韓信の名前を付けて特定しました)。