こんにちは、周です。今回は生薬―骨碎補の話です。
骨碎補は、ウラボシ科PolypodiaceaeのハカマウラボシDrynaria fortunelなどの根茎を乾燥したもので、骨砕補という名は骨折の治療に効果のあることに由来し、猴姜・胡孫姜・石毛姜などとも呼ばれます。中国の中南・西南及び浙江・福建・台湾省に分布します。性味は苦・温で、肝・腎経に帰経します。補腎・活血・止血・続傷作用があります。腎虚の腰痛・耳鳴・脚弱・久瀉、打撲外傷・切傷・骨折に用いられます。
注意:陰虚内熱には使用しません。
≪本草求真≫に、こう記載してあります:功専入腎利骨、且能入心破血、是以腎虚耳鳴久瀉、跌撲損傷、骨痛、齒痛、血出、無不用此調治、俾其腎補骨堅、破瘀生新而病除。
骨碎補の由来を紹介します。
骨碎補は、五代十国後唐明宗皇帝・李嗣源が命名したものです。その故事を紹介します。
ある日、皇帝一行は狩に行きました。突然、猛獣―金銭豹(代表的な種類)が出てきて、皇后が吃驚して馬から落ちました、左足(脛骨)が骨折してしましました。民間草医(民間の医者)出身である衛士の一人は、ある草薬(のちに骨碎補と呼ばれるもの)を使い、皇后の骨折した足を治しました。皇帝は大喜び、その衛士に薬草の名を尋ねました。衛士は、「この草薬は、未だ名前がないですので、皇上(皇帝)名付けてください」と言いました。皇帝は、笑いながらこう言いました:骨折の治療に効果があるので、骨碎補にしましょう。
その後、李時珍は、形状から猴姜と呼び、ある地方は、胡孫姜・石毛姜とも呼びます。