霊枢・営衛生会第十八⑧
【原文】黄帝曰:願聞下焦之所出。岐伯答曰:下焦者、別廻腸、注于膀胱、而滲入焉。故水穀者、常并居于胃中、成糟粕而倶下于大腸、而成下焦、滲而倶下、濟泌別汁、循下焦而滲入膀胱焉⑥。
黄帝曰:人飮酒、酒亦入胃、穀未熟而小便独先下、何也⑦?岐伯答曰:酒者、熟穀之液也、其気悍以清、故後穀而入、先穀而液出焉⑧。
黄帝曰:善。余聞上焦如霧、中焦如沤、下焦如涜⑨、此之謂也。
【注釈】⑥下焦者、別廻腸、注于膀胱、而滲入焉。故水穀者、常并居于胃中、成糟粕而倶下于大腸、而成下焦、滲而倶下、濟泌別汁、循下焦而滲入膀胱焉:下焦は、糟粕を別途で廻腸より下へ送り、水液を膀胱へ注ぎ滲入する。最初、水穀は一緒に胃に居るが、(消化吸収された後)糟粕が大腸へ、水液が膀胱へ滲入する。これが下焦の主な功能です。要するに、清濁を分別した後に下焦に沿って膀胱へ滲入することです。
「別廻腸」とは、「廻腸を別のルートとする」という意味です。
⑦人飮酒、酒亦入胃、穀未熟而小便独先下、何也:人が酒を飲む、酒も同じく胃に入るが、五穀がまだ消化されてないうちに小便が先に出る。それは何故?
⑧酒者、熟穀之液也、其気悍以清、故後穀而入、先穀而液出焉:酒は、穀類を熟し、醸造した液体のものであり、その性質は慓悍で質は清いです。故に五穀の後に胃に入っても(消化吸収が速いから)五穀が腐熟の前に排出されます。
⑨余聞上焦如霧、中焦如沤、下焦如涜:私はこう聞いている:上焦は(精気を輸布し)霧のように蒸騰する;中焦は(水穀を腐熟運化し)ものを漬けるような場所である;下焦は(廃棄物を排泄し)溝のようなものである。
(続く)
(李)