こんにちは、周です。今回は成語――「完璧帰趙」(wan bi gui zhao)を紹介します。
今は(借りた物を)少しも損なわずに返す.そっくりそのまま返すという意味で使われています。完は完全・欠けない意味で、壁はドーナツ型をする玉器を言い、趙とは趙国を指します。戦国時代、趙国の藺相如は、秦国の15の城と交換する爲「壁」を持って秦に行きましたが、秦王に誠意がなかったのを見て、その「壁」を取り返し、無事に持ち帰ったという故事からです。
出典は『史記・廉頗藺相如列伝』です。戦国時代(紀元前五~三世紀)・紀元前283年に、趙の恵文王が「和氏の壁」という名玉を手に入れました。この噂は忽ち各国に広まり、早速秦王が使者を趙国へ送り、秦国の15の城を「和氏の壁」と交換してほしいと申し入れであります。交換などと言った相手は、大国(強国)の秦国!ただで貰う気がする!趙の恵文王は、そう思って、直ちに重臣会議を開きましたが、誰も対応策を思いつきませんでした。
その時、重臣の一人が部下の藺相如を推薦しました。
呼ぶ出されて恵文王の前に出た藺相如は、こう言いました:秦国は強国であり、申し入れを受けるべきです。秦に攻撃の口実を与えてはいけません。
恵文王:だが、壁を取られ、城は貰えないということになったらどうする?
藺相如:いや、心配ご無用。私は使者に立ちましょう。城が手に入ったら壁は置いて行きます。城が手に入らなければ壁は持ち帰ります。
こうして藺相如は、壁を持って秦に行きました。
壁を手にした秦王は、傍に居た美女や家来に見せて大喜びであります。だが、交換するはずの城は、全然話しません。それを見た藺相如は、壁を取り戻そうと、秦王にこう言いました:実は、その壁には小さな傷があります。見つけ難いので、それを教えましょう。
壁を受けると、宮殿の柱を背にしてすっくと立ち上がり
藺相如:秦王は交換する誠意は、ちっともない!取れるものなら取ってみろ!その前に私の頭とこの壁を柱に叩きつけて粉々にしてやる。
その死を恐れない気魄に、秦王はすっかり気を飲まれてしましました。そこで藺相如は、堂々で熱弁を振って、遂に壁を趙に持ち帰ることができました。その後、趙の恵文王に上大夫(官名)に昇進されました。