霊枢・邪客第七十一⑦
【原文】黄帝曰:持針縱舍、余未得其意也。岐伯曰:持針之道、欲端以正、安以靜、先知虚実、而行疾徐⑤。左指執骨、右手循之、無與肉果⑥。瀉欲端以正、補必閉膚、輔針導気、邪得淫泆、眞気得居⑦。
黄帝曰:扞皮開腠理奈何?岐伯曰:因其分肉、左別其膚、微内而徐端之、適神不散、邪気得去⑧。
【注釈】⑤持針之道、欲端以正、安以靜、先知虚実、而行疾徐:針を操作する原則は、態度を正し、気分を安静する、先に(病情の)虚実を確認識してから、緩急補瀉の手法で治療を行う。
⑥左指執骨、右手循之、無與肉果:左手で骨格の位置を把握し、右手で経絡の走行し沿ってツボを決め、なお筋肉の過度緊張で収縮して針を包むことを防ぐ。「果」とは、裹に通じて、つつむという意味です。
⑦瀉欲端以正、補必閉膚、輔針導気、邪得淫泆、眞気得居:瀉法を使う時に垂直して針を刺す;補法を使う時に出針の際皮膚の針孔をつぼめる。なお、邪気が発散され、真気が内守できるように補助の運針手法を使い、気を導引する。「淫泆」とは、発散するという意味です。
⑧因其分肉、左別其膚、微内而徐端之、適神不散、邪気得去:分肉の部位に従い、左手が皮膚を押さえ、(右手が)針を垂直したまま、やや緩やかに進針する。こうすると、神気が散乱されず、邪気を駆除できる。
【説明】
今回と前回(11月6日)の内容は、主に針刺の方法について討論した。「左指執骨」と「左別其膚」とは、治療の際左手を正確に使用することで治療効果を得るのにとても重要であることを強調している。
なお、「持針之道、欲端以正、安以靜」は医者が針刺治療の際、態度を正しく、精神を集中しなければならないということを強調した。
(李)