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こんにちは、周です。今回は成語――「千里眼」(qian li yan)を紹介します。
「千里眼」は、見通しのきく人・望遠鏡(古)と、2つ意味があります。1里はメートル法を換算すれば、4キロメートルです。千里と言えば4千キロメートルとなりますが、こうした実際の距離ではなく、遥か遠くという意味で「千里」「千万里」と言います。現在は、どんな離れた・見えないところでも見通す力を喩えるという言葉で使われています。中国では、よく「千里眼、順風耳」で表現します。
例:他具有通天的本領、那就是千里眼与順風耳(彼は、素晴らしい腕前を持っている、それは千里眼と早耳である)。
出典は『魏書・楊逸伝』です。楊逸は29歳の若さで、光州の長官となりました。丁度その頃、不作続きで酷い飢荒(飢饉、ききん)となり、餓死する人が続出しました。朝廷の許可される前に、楊逸は役人の反対意見を聞かずに勝手に政府の糧倉(糧食を保存する倉庫)を開いて人々に糧食を配給しました。そして糧倉を開き、人々に炊き出しをした上で、朝廷(皇帝)に報告しました。彼は、このように民衆のことを考え、部下が民衆を苦しめないように監視を厳しくしました。役人や兵士は地方へ行くとき、糧食を持参させました。中には役人や兵士にご馳走を出そうとする人も居ましたが、彼らは固く断って、こう言いました:「長官の眼は
千里眼で、なんでもお見通しだ、ごまかすことはできない。」そして、人目につかないところでも、決して楊逸の命令に背こうとしなかったです。
惜しいことですが、その後、彼は帝位を狙う反対派に睨まれ殺されました。光州の人々は悲しみ、隅々まで彼を弔う祭壇が設けました。
『魏書・楊逸伝』に、こう記載しています:
逸爲政愛人、尤憎豪猾、広設耳目。其兵吏出使下邑、皆自持糧、人或爲設食者、雖在闇室、終不進、咸言 楊使君、有千里眼、那可欺之!