こんにちは、周です。今回は生薬―木瓜の話です。
木瓜は、バラ科Rosaceaeのボケ Chaenomeles lagenaria Koidz カリンC.sinensis Koehnno
成熟果実であります。中国の安徽、浙江、湖北、四川に分布します。中国の安徽宣城産の木瓜(宣木瓜)が良質とされています。性味は酸・温で、肝・脾経に帰経します。舒筋活絡・化湿和胃作用があります。風湿痺痛、筋脈痙攣、脚気による下腿浮腫、霍乱転筋(霍乱の吐瀉に伴う筋肉痙攣)に用いられます。消食にも働きますので、消化不良証にも有効します。
≪本草綱目≫に、こう記載してあります:木瓜所主霍乱吐利(吐瀉ともいう、嘔吐と下痢)転筋、脚気、皆脾胃病、非肝病也。肝虽主筋、而転筋則由湿熱、寒湿之邪襲傷脾胃所致、故転筋必起於足腓、腓及宗筋(人体部位名、陰器)皆属陽明。
宣木瓜は古くから花木を観賞用で、果実は薬用として使われています。南宋の詩人・楊万曾は、宣木瓜を詠む詩を残りました:
天下宣城花木瓜
日華沾露綉成花
木瓜の由来を紹介します。
ある人は脚気による下腿浮腫のため走行不能となっています。舟に乗り、故郷を帰ります、浮腫している脚を舟に置かれている布囊(布制の袋)の上に置きます、下船する際、浮腫している脚が楽になりました。布囊に何か詰めているかを舟夫(船頭)に確認しますと、「宣木瓜也」(宣木瓜だよ)と答えられました。
その後、布囊に宣木瓜を詰めて脚に当てて、脚を治癒しました。
附:宣木瓜と番木瓜
番木瓜は果物・パパイヤのことです、消食健胃化積作用があります。広州の四大名果(ライチ、バナナ、パパイヤ、パイナップル)の一つであります、万寿果とも言い、原産はメキシコで、17世紀から中国へ入り、広東省の各地に栽培されていますが、広州市のほうが最も集中しています。