こんにちは、先週土日(8月29日・30日)夏季講習会(その4)を行われました。今回は韓先生からの「婦人科疾病の中医治療における補益剤の応用」でした。
講座は中国歴代中医婦人科の専門家が婦人病(月経病、帯下病、妊娠産後病など)治療に補益薬を応用した臨床経験及び現代研究成果を紹介しました。韓先生は現代医学(西洋医学)と中医学理論を結合し、中医学の角度から、分かり易く解説を頂きました。
ここで、補気薬の代表薬―人参を抜粋して紹介します。
人参
効能:固脱止血、補脾益腎
応用:
①血崩証 単味(独參湯)或いは他の薬を配合して(参附湯、生脈散)使う。
②月経病 脾腎気虚によるもの。
脾気虚の場合、白朮・黄耆・白芍・当帰・熟地黄を配合する。
腎気虚の場合、熟地黄・山薬・山茱萸・杜仲・枸杞を配合する。
③帯下病 白朮・山薬を配合する。
④妊娠病 脾気虚による胎動不安の場合、続断・黄耆・白朮を配合する。
腎気虚或いは腎陽虚よる胎動不安の場合、菟絲子・続断・阿膠を配合する。
気血両虚による胎滑の場合、黄耆・白朮・続断を配合する。
腎虚による習慣性流産の場合、続断・菟絲子・杜仲を配合する。
腎気虚或いは気血両虚による胎萎不長(胎児が発育不良である)の場合、当帰・熟地黄を配合する。
妊娠嘔吐(つわり)の場合、乾姜を配合(1対1の比例で、粉末にして米湯で送服する)する。
胎位不正(例:逆子)の場合、黄耆・枳殻・当帰を配合する。
⑤産後気血虚証
産後血暈の場合、紫蘇を配合する。
産後諸虚発熱自汗の場合、当帰を配合する。
⑥婦人雑病 腎気虚或いは腎陽虚よる摂精成妊が不能(懐妊できない)の場合、熟地黄・鹿角霜・菟絲子を配合する。
用法用量:補脾益腎5~10g、固脱止血15~30g (日本人は減量して3~5g、9~20g)
現代研究:人参は性腺ホルモン様の作用や下垂体のFSH・LH(卵胞刺激ホルモン・黄体刺激ホルモン)の分泌を促進することができる。
4回にわたって今年の夏期講習会の紹介させて頂きました。ご覧になっていただき、ありがとうございました。来年のご参加を、お待ちしております。