こんにちは、周です。今回は「老驥伏櫪、志在千里」(老いた駿馬は馬小屋に伏すも志は千里にあり)を紹介します。
『曹操・歩出夏門行』に出てくる有名な言葉です。老いた駿馬は飼桶につながれていても千里を走る気持に変わりはないし、志のある人は年をとってもはやる心は抑えられない、と自分の心境を述べているのです。この金言名句の後に「烈士暮年 壮心不已」(烈士は暮年にも壮心やまず)と続きます。
注:老驥=老いた駿馬・名馬。櫪=馬の飼い葉桶、厩(うまや、馬小屋)。
この故事を紹介します。
漢献帝建安5年(200年)、曹操は官渡の戦で袁紹を大敗(徹底的に打ち負かす)し、続いて北方の異民族・烏桓討伐する作戦も成功して北方を統一しました。南方の孫権や劉備の二雄を消滅して中国を統一しようと思いを強くなりました。しかし、その時の曹操は53歳でした。
曹操は自ら老驥に喩えて、下記の漢詩を書きました。
附:馬に関するもう一つ名句・「南船北馬」を紹介します。
「南船北馬」とは、中国古代の交通手段であることを指します。気候が湿潤で、降雨が多くて、湖沼や河川の多い南部に船舶運輸は最良で、逆に荒涼たる・広大なる草原地帯の北部は馬で進むのが最良の交通手段であります。京(北京)杭(杭州)大運河は世界最長・最著名な人工運河であり、歴代の帝王が力を入れて建設していました。現在も淮安に「南船北馬、舎舟登岸」の碑があります。今の「南船北馬」は、南北の風物が大いに異なると意味します。
大運河