2015年のノーベル医学生理学賞は、日本北里大特別栄誉教授の大村智氏、アイルランド出身で米ドリュー大名誉研究フェローのウィリアム・キャンベル氏とともに、中国中医科学院の
屠呦呦(トゥ・ヨウヨウ)氏など3人が授与されました。
屠氏は青蒿の同属である黄花蒿という薬草からマラリア特効薬アルテミシニンの成分の抽出に成功したほか、長年にわたり中国の伝統医学である「中医学」と西洋医学の融合に関する研究を行っています。中医学の治療薬の主な原料となるのは生薬です。1970年代に屠氏がリーダーである研究チームが黄花蒿からマラリア治療の特効薬となるアルテミシニンという成分の抽出に成功し、それからは世界中(特にアフリカ)でマラリアの治療に使用され、治療効果がかなり高く評価されています。
中国の伝統医学も西洋医学も万能ではないが、両者を相互に補い合うべきです。中医学は病因を根本から治すものです。多くの疾病を速やかに治すのは西洋医学ですが、西洋医学でまだ治せない雑病の症状の改善には中医学が優れるところがあります。両者の長所を利用できたら、人類にとっては幸福なこととなります。
現在、中国も日本も、屠氏のように中医学を科学的な側面からの研究を進めています。これからは、さらなる発展に期待しております。
(李)