(答えにあります「教」は『中薬学』中国語テキストの略称です。)
No.1 甘味の効能は、補益、和中、緩急と理解していましたが、解毒もあるのですか? どのような中薬がありますか?
Ans: 例えば、甘草、蜂蜜などがよく解毒薬として使われます(教P216,218文献の処ご参考下さい)。なお、「清熱解毒薬」に分類されている金銀花、蒲公英なども甘味があるものです。
No.25~27 解表、発表、疏表の違いがよくわかりません。この使い分けについても教えてください。
Ans:多少違いがあります。透表という言い方もあります。皆、表証の治療方法です。
解表:解とは、解除の意味で、表邪を解除することで、全ての表証を治療する総称です。例えば、辛涼解表や辛温解表などがあって、それぞれの適応する証に使います。
疏表:疏とは、疏散の意味で、主に風邪の治療に、袪風のできる生薬を使います。
発表や透表:発とは発散で、透とは、透達の意味で、主に邪気が体内に入っている場合に、肌表(便や尿ではなく)より、その邪気を追い駆けることを指します。特に発疹のある疾病でなかなか出疹しない場合に「透表」をします。
No.67 この設問は生地黄のことを指しているのですね? 生地黄には生津効果があるからDは不適となるのですか?
Ans: そうです。生地黄のことを指します。地黄には水分がたくさん含まれていて、粘滞(脾胃をもたれる)という性質があり、湿証(特に脾虚湿滞)の患者は慎重に使うべきです。
No.69,70 散瘀と化瘀に違いはありますか? 祛瘀とも異なるのですか?
Ans: 散瘀、化瘀、袪瘀の意味はほぼ同じです。
No.95 Eの意味とは?
Ans:「蝕」と浸蝕の意味です。「蝕疣療瘡」とは、「イボ」を浸蝕し(なくす)、「瘡癰」を治療することです。
No.107 Bの意味は何ですか? Dの水腫脹満は脾陽不振の証ですか?
Ans: 「麻木」とは麻痺、痺れの意味で、「癱瘓」とは自由に動けないことで、主に半身不遂のことを指します。「水腫脹満」は、脾陽不振や腎陽衰微などに見られます。
No.126 CとDは、地上部分と書かれているだけで、幼苗とは書かれていません。他の選択は、違うのが調べてわかりました。教科書に書かれていますか?
Ans: 教P102下から12行目に「春季幼苗が約3寸(10cm)の時に採収」と書いてあります。
No.190 婦女倒経とは、月経不順のことですか?
Ans: 「倒経」とは、月経期間或は月経の前に現れる吐血や鼻血などのことです。「倒経」は民間の言い方です、中医婦人科では「経行吐衂」と言います。
No.228 琥珀は煎じてはいけない薬なのですね?
Ans: そうです。貴重なものなので、粉末を少量(1.5~3g/回)冲服します。
No.230 教科書P193に「慎用」と書いてありますが、理由を教えてください。
Ans: 遠志は、安神の他に祛痰や消腫などでよく使われますが、咽喉や消化器の粘膜に刺激を与える作用もあるので、胃炎や胃潰瘍がある患者に慎重に使うべきです。
No.319-322 一緒に用いるべきでない理由ですが、牽牛子は瀉下逐水で、Dも同じなので、瀉の力が強くなり過ぎるからですか?
丁香は温中の効果があるのに、鬱金の涼血の働きと矛盾するからですか?
芒硝の清熱作用と硫黄の壮陽効果と正反対だからでしょうか?
五霊脂については、教科書には十九畏とだけしか書いていませんが、理由を理解するより丸暗記するしかありませんか?
Ans: 設問の内容は、「十九畏」についての質問です。中医の学生として、「十九畏」と「十八反」をまず丸暗記しなければなりません。勿論、それぞれの理由を探り出しても良いですが、まず、「十九畏」と「十八反」の意義を覚えて欲しいと思います。「十九畏」と「十八反」ともに、七情配伍の中「相反」の内容(教P12)であり、これらの配伍では毒性反応や副作用が発生するものですから、避けるべきです。
相反についての研究は今でも続けられており、先人が纏めた「十九畏」と「十八反」は100%正確ではないとも判明したのもあるそうですが、現在の教科書にはまだ反映していません。
No.392 答えが地骨皮になっていますが、教科書を確認したところ、歯痛について確認できませんでした。どの辺りに書かれていますか?
Ans:教P68下より1行目に「清瀉腎経の浮火(炎上した虚火)で止虚火歯痛できる」との記載があります。
No.482 解毒の次の二文字の意味を教えてください。
Ans: 截瘧(せつぎゃく)の意味ですね。「截」は「切」と同じで、切断、止めるという意味です。「瘧」とは伝染病の一種で、おこり(マラリア)のことです。「截瘧」は、マラリアの症状を止める(治療する)ということです。
No.495 久咳失音とは?
Ans: 長期間の咳のため、声がかれて発音ができなくなることです。
中薬学に関する質問:
Ans:「強」とは強める、「続」とは接続する、言葉から見ると意味が違いますが、こちらでは、ほぼ同じ意味です。よく二つを配伍して使います。
Ans: 教P12によりますと、相畏と相殺の違いはありません、同じ配伍関係の別の言い方です。相畏は「毒性や副作用を軽減させる配伍」です。それに対して、相殺は「毒性や副作用を軽減させる配伍」です。半夏と生姜は相畏関係で、生姜と半夏は相殺関係です。
Ans: ここでの「火」とは「命門の火」、即ち「腎陽」(「元陽」とも言う)のことを指します。「引火帰元」とは、腎陽不足・命門の火が衰弱したために下半身が冷えるが、一部の元陽が上(頭部など)へ上昇します(これは「虚火」と言います。上熱下寒ですが、ここは真寒假熱の一種でもあります)。この場合の治療で「引火帰元」する必要があります。つまり、上に浮かんである「火」がその元の「命門」に帰るように引導することです。
桑寄生…肝腎陰虚による胎動不安
砂仁……気滞による胎動不安
黄芩……胎熱不安
蘇梗……気逆による胎動不安
杜仲……肝腎虧(き)虚による胎動不安
菟絲子…肝腎不足による胎動不安
続断……腎陽不足による胎動不安
Ans:紫蘇の葉も安胎作用があります。これら以外は、特に重点薬として暗記するものはありませんが、婦人科の「胎動不安」の部分を学ぶ際、紹介された代表方薬に合わせて上記の生薬が出てくると思いますので、その際、生薬の選び方などの復習ができます。
(教務担当:李)