(答えにあります教科書名は中国語テキストです。)
No.5 内傷咳嗽は「虚実夾雑」に属するのですか?
Ans:一概には言えません。例えば「肝火犯肺」、「痰熱欝肺」の場合は実証が多く、「痰湿蘊肺」の場合は、脾虚が見られるのもあれば、脾虚がないのもあります。脾虚が見られる時だけは「虚実夾雑」に属します。なお、「肺陰虧虚」のタイプは虚証に属します。
No.29 選択肢Cは「全身のだるさ」という意味ですか?
Ans:全身の筋肉が痠痛の意味です。営衛不和のため、腠理が疎らであり、汗が出る、汗が多く出るので悪風と全身の痠痛を感じます。
No.46 選択肢Bは、食積を意味していますか?
Ans:選択肢Bの症状を、中医では「反胃」と言い、日本語の「胃のもたれ」に似ています。
No.50 Aは胸部血瘀、Cは外傷による血瘀、Dは血瘀停滞、心腹激痛、Eは養血活血なので、Bを選ぶのですか?
Ans:そうです。各種の逐瘀湯と活血剤の特徴及び使い分けについての質問です。
No.55 分利する、というのは清濁を分けるという意味ですか?
Ans:「分利」とは利小便で下痢を止めることです。つまり、「利尿」のことで、腸にある多量な水液を膀胱へ分けるという意味です。
No.58 Dの痢下白凍とは?
Ans:「白凍」とは、白いゼリーのようなもので、「痢疾」の特徴的な症状で、膿が便に出ることを指します。
No.75 寒湿型の黄疸とは、脾胃虚寒のことですか?
Ans:いいえ。寒湿型の黄疸は脾胃の陽虚が先にあって、後から寒湿を感受して黄疸で発病するのもあれば、寒湿の邪気を先に感受し、脾の陽気を損傷して脾の運化機能が阻害され、黄疸になるのもあります。
No.77 AとBの方剤は、方剤学の教科書に出ていないようなのですが、消去法で解答を選ぶのですか?教科書に出ていない方剤が問題や選択肢に見られますが、とこで調べればよいでしょうか?
Ans:これらの方剤は、『中医内科学』のテキストに出ています。例えば、No.77のAはP189の上から5行目、BはP188の下から3行目に書いてあります。組成は内科学の最後の附録に収録しています。方剤学ほど詳しく紹介していませんが、大学の本科生として、これだけ分かれば十分です。
肝鬱気滞の聚証の方剤は、教科書P188では逍遥散となっていますが、2014年4月15日の正誤表には木香順気散になっています。どちらが正しいのでしょうか?
Ans:確かに、教科書では逍遙散となっています。臨床では、聚証には逍遙散より木香順気散のほうがよく使われるそうです。試験センターの答えに従いましょう。
No.84 潜陽は、標治なのですか?
Ans:そうです。「陽亢」は「陰虚」によるものなので、本治の方法は「滋陰」です。
No.122 方剤学の教科書には「托裏透膿湯」となっていますが、選択肢B「托裏消毒散」と同じなのでしょうか?
Ans:いいえ、違います。『中医外科学』P392の左上に記載してあります。
No.126 乳癖って何ですか?
Ans:「乳腺症」(しこり)のことです。
No.131 精索とは?
Ans:男性の生殖器官にあるもので、精管がこれに伴う血管、神経、リンパ管、筋と共に被膜に包まれた構造物です。
No145 妊娠病とは、胎動不安のことですか?
Ans:婦人科で学びますが、妊娠に係わる病気を妊娠病と言い、胎動不安は妊娠病の一種です。
No.160 Cの臀核とは?
Ans:「臀核」とはリンパ節のことです。
No.161 斑疹、丘疹、結痂、膿疱の日本語を教えてください。疱疹はヘルペスのことですか?
Ans:日本語での斑疹(はんしん)と丘疹(きゅうしん)はそのままです。結痂(けっか)とはかさぶたができること、名詞ではありません。膿疱(のうほう)とは化膿した水ぶくれのことを指します。なお、疱疹はヘルペスのことですが、こちらでは病名ではなく水疱という症状をいうのです。
No.168 清暑となる根拠は何ですか?
Ans:設問の症状は典型的な「暑湿証」の感冒ですので、清暑が必要です。
No.186 設問の証は、脾胃気虚挟痰湿ですか? 脾胃気虚は当然、湿を含むので、挟痰湿は不要ですか?
Ans:この症例は、痰湿(胸悶・痰多・脈濡)が顕著ですので、内科では、「痰湿蘊肺」の咳嗽を診断しますが、方剤学の角度から見ると、脾胃気虚挟痰湿の証と考えるものです。
No.194 振寒壮熱を教えてください。
Ans:振寒―寒気(さむけ)があって震えること。壮熱を発し、その熱の勢いが激しい高熱のことです。
No.210 方剤学の教科書202ページ、定痫丸の説明に「涤痰」とありますが、意味を教えてください。
Ans:涤―洗う・除去する・取り除く・一掃する。「涤痰」は、痰を一掃するとの意味です。
No.214.217 攻撑作痛、眩暈昏蒙の意味を教えてください。
Ans:攻撑作痛―突っ張るように痛む、その痛みは脇に連なる。
眩暈昏蒙―眩暈(めまい)・目がくらむ。
No.224 噤口痢と痢疾の違いはありますか?
Ans:噤口痢は、痢疾の一種です。下痢した後、脱水状態に陥る、口の周りの筋肉が痙攣を起こします。倉廩散を用いて治療します(『方剤学』P30)。
No.228 長期間の崩漏…ということは血虚があると思うのですが、潤腸丸(潤腸通便・活血去風)で大丈夫なのですか?
Ans:現在最も苦痛を伴う主な症状は便秘です。ですから血証にも有効な潤腸丸を使います。
No.228、230更衣丸、旋覆花湯も方剤の教科書に見当たらなかったので、組成、功用、主治を教えていただけませんか?
Ans:更衣丸は『中医内科学』P171熱秘の方薬・P293の「178」、旋覆花湯はP180瘀血停着の方薬・P297の331にあります。方剤学ほど詳しく紹介してない方剤について、大学の本科生として、その組成を了解するだけで十分です。
No.240 Eの肝腎陰虚の次の熟語と、No.244のEの熟語の意味を教えてください。
Ans:240.Eは「肝陽化風」の意味です、教P205肝陽上亢の部分に記載があります。No.244.のEは「肝陽眩暈」の間違いです、訂正して下さい。
No.245、No.250、No.253、No.285、No.406 羚角釣藤湯は方剤学の教科書に出ていますが、羚羊角湯とは異なりますか? 羚羊角湯、石葦散、沈香散、大補元煎、丹栀逍遥散は出ていません。組成、功用、主治について、簡単に教えていただければ幸いです。
Ans:羚角釣藤湯と羚羊角湯は別の方剤です。羚羊角湯は『中医内科学』P297「332」・P210下より1行目、石葦散は『中医内科学』P291「90」・P235石淋の方薬です。沈香散は『中医内科学』P293「184」・P235気淋の方薬です。大補元煎は『中医婦科学』P67 腎虚型の方薬例、婦人科に使い、「補腎益気・補血調経の方剤です。この症例は、血虚のほうが顕著なので、血虚型の人参養栄湯もOKです。丹栀逍遥散は加味逍遥散のことです(『方剤学』P51附方参照)。
No.247~248 これは水腫の風水相伝というものですか?
Ans:そうです、弁証は「風水氾濫」です。
No.260 六味地黄丸と左帰丸の使い分けがよく分かりません。正解はBとなっていますが、症状に遺精滑精や自汗盗汗がない、舌光でもないので、Aの六味地黄丸(腰膝酸軟、手足心熱、舌紅)の証のように思えます。疲労すると症状が悪化する…がポイントなのでしょうか?
Ans:左帰丸の補腎陰の作用が六味地黄丸より強いので、真陰不足の場合は、左帰丸を使います。
No.274 食べた7時間後がポイント…ということは、消化吸収後という意味ですか?すると「接触性」の意味がよく理解できません。それとも消去法で選ぶべきですか?
Ans:「接触性」はアレルギー性反応のことで、この症例のようにマンゴーと接触した後、発症するまでに潜伏期間があります。『中医外科学』P201診断の臨床表現参照してください。
No.288 証は中気下陥ですか? 挙元煎と補中益気湯の使い分けを教えてください。
Ans:婦人科の病で、月経過多の気虚型です。『方剤学』P95・96附方を参照してください。挙元煎は補中益気湯を簡潔にした(当帰・熟地黄を取り除いたもの)です。当帰・熟地黄が使用できないときに挙元煎を用います。
No.428 選択肢Eは何ですか?
Ans:尪痺(おうひ)は、重症の痺症のことです(『中医内科学』P267下から5行目)。
No.435.436 これらの証を教えてください。
Ans:No.435は痿証(湿熱侵淫、『中医内科学』P273)です;No.436は痹証(風湿熱痺、『中医内科学』P267)です。
No.451、452 気瘿とは、甲状腺腫大のことですか?
Ans:そうです(『中医外科学』P147をご参照下さい)。
No.488 選択肢Dの最後の四字熟語の意味は?
Ans:透明・無臭です。
No.499.500 Bは耳の後ろの腫れ、Cはリンパの腫れ、Dはハシカで大丈夫ですか? AとEは?
Ans:Bは全身のリンパ節の腫れがあり、特に耳の後ろのリンパ節の腫れが顕著です(『中医小兒科』P194診断要点3)。Cは猩紅熱(しょうこうねつ)、咽喉の痛み・紅腫・糜爛・発疹が見られます(『中医小兒科』P225上から1~2行目)。Dはハシカ、Aは水疱瘡(ミズボウソウ)です(『中医小兒科』P196)。Eは幼児急疹(奶麻)です『中医小兒科』P191で確認して下さい。
(教務担当 李)