こんにちは、周です。今回は大黄の話です。
老中医・李寿山先生は大黄の効用が「瀉」だけではないと提起し、「補」について4方面詳細に紹介しました。以下は先生の臨床用薬経験の紹介です。
大黄能攻擅守、補瀉両用(大黄は攻め・守りもできる、補瀉両用できる)
「人参殺人無過、大黄救人無功」(人参が殺人しても過失過はなし、大黄が人を救いても功労はなし)という諺があります。この諺は2つ意味をします。一つ目は中医治療の際、弁証論治の重要性を強調します、疾病の本質と現象は複雑に入り組んで、仮象(偽の現象)が本質を隠します、例えば「大実有羸状」(本質は実熱証なのに、返って虚寒証を表す)、誤って人参を投与し「温補」して「火上加油」(火に油を注ぐ)ように邪気を助長し、病情が加重させます。医者らはしばしばこのような誤診を察知せず、患者の救命できません。二つ目は補品を嗜好品として使用する風習があります、補が必要としなくても強補(大いに補する)し、壅逆の禍を引き起こします。ある男性青年を見ました、その青年は大量の人参を服用した後吐血しましたが、(吐血した)原因は察知できず、又も人参を続いて服用して補します。喜補(補が好き)の風潮に乗る人は一人・二人ではないと思います。ですから、冒頭の「人参殺人無過、大黄救人無功」は「大黄用之得当勝過参茸、人参用之不当犹鴆毒」(大黄の使用は妥当であれば人参・鹿茸に勝ち、人参の使用は不当であれば鴆毒に如く。鴆毒=毒酒。鴆:伝説の毒鳥、その羽を浸した酒を飲むと死ぬという)に変えて喜補の者への警鐘であります。
大黄は苦寒瀉降・瀉下破結で、腸胃の実熱積滞、血熱妄行の吐血・衂血、熱毒の瘡瘍、瘀血証に用いられるのを皆は知っています。しかし大黄の安和五臓・補斂正気という効能があることを知る人は少ないです。酒制した大黄は瀉降から斂昇となります、剤量にも玄妙がありますー多則瀉下、少則性斂(量は多い時瀉下で、少ない収斂である)、これを重視する人は更に少ないです。
次回へ続く。