中国の首都北京では、色彩あふれる紅葉の美しさに心弾む季節となりました。国慶節が過ぎたばかりで、街に綺麗で大きな花壇があちこちに飾られています。
去る10月22~27日、日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)・中医中薬専攻科の卒業式、並びに北京中医薬大学病院での臨床研修を行いました。今回は総勢28名(中に今回の卒業生21名)の方々が参加されました。
卒業生の皆さんは、穏やかな雰囲気の中学長から卒業証書を受け取りました。4月生の中根仁美さんより日本語と中国語で最高なご答辞を頂きました。
以下は中根さんの答辞原稿です:
王处長、郑副学長、高 元日本校学長、植松理事長、呉先生、李先生、ご列席の方々。
本日は私たち日本校卒業生の為にこのような式典を催して頂き、誠に有難うございます。
私たちは既に日本校から卒業証書を授与されておりますが、本日北京本校にて直接証書を受け取ることが出来ましたことはこの上ない喜びです。
私は4年前の春、仕事で関わった方々からの健康相談を受けたり、家族や自身の体調に不安や不調を感じるようになったことから、食生活を改めて真剣に考えるようになり、薬膳を勉強するために日本校の門を叩きました。
中医学というよりも中国伝統思想の基礎知識すらなかった私は最初の数か月間、中国語のテキストのみならず、日本語のレジュメでさえ意味が分からず、毎回の講義についていくのが大変でした。
1年たって薬膳科の卒業試験勉強でやっとそれまでの内容が少し繋がり、理解できたように感じました。
更に勉強を続けたいと思い中医中薬専攻科に進みましたが、それからの3年間はより広く、深く、中医学に触れることができ、学校に行くことがとても楽しみになりました。
指導して下さった韓先生、金先生、呉先生及び通訳の先生方のお蔭と感謝致します。
先生方の豊富なご経験に基づくエピソードは大変興味深く、更に舌診脈診の実習、グループでの症例検討など単に講義を聴くだけではなかったことが本当に勉強になりました。
理事長を始め李先生、周先生及び教務・事務局の皆さま方の色々な面でのサポートにも感謝しています。
在学中は一緒に講義を受けたクラスメートだけではなく学年の違う多くの友人達にも助けて頂きました。沢山の友人に出会えたことも財産です。
又家族の支えが何よりも大きかったことをここで感謝したいと思います。
ここ数十年の西洋医学の発展により、病気の効率的治療は格段に高まりました。これにより平均寿命も延び、人々の関心は健康寿命、つまりいかに健康を維持するか、どうすれば病気にならない生活が出来るのか、に移ってきたように思います。
こういう背景で、伝統医療がWHOで認められる方向になり、日本でも「東洋医学」という言い方で「中医学」が見直され、一般の病院でも漢方薬を処方されることが増え、マスコミでも東洋医学の考えを取り上げる頻度が高くなりました。
私は中医学を学んだものとして、家族や友人、仕事で接する方々など身近な人たちから少しでもその考えや知識を伝え、広め、健康維持のお手伝いをしていくつもりです。
中医学・薬膳は奥深く、これからも更に深く勉強していきたいと思っております。
最後に国立北京中医薬大学ならびに日本中医学院の益々のご発展と、先生方、職員の皆様方のご健康とご活躍を祈念し、答辞のご挨拶とさせて頂きます。
本日は誠に有難うございました。
2018年10月25日
卒業生代表 中根仁美
中根さん、素晴らしいご答辞、本当にありがとうございました。