こんにちは!周です。
前回に引き続き広州を紹介します。2回目の今日は、「広東涼茶」について書きたいと思います。
皆さんは、「涼茶」がどのようなものかご存じですか?
「涼茶」には広義と狭義がありますが、広義におけるの涼茶とは清涼湯薬(清涼作用の煎じ薬)のことを指します。薬力が軽いものに「五花茶」・「夏桑菊」・「竹蔗茅根汁」等が、そして、薬性が強いものに「石岐涼茶」・「廿四味」・「斑痧茶」等があります。
狭義における涼茶とは湯薬に茶葉を入れている清涼湯薬のことを指します。たとえば、「緑菊茶」と言うのは、緑豆、菊花の中に茶葉を加えた物です。どちらの意味においても、涼茶は寒涼の性質を持ち、「熱気」或いは「上火」(熱、火は中医学の専門用語で、六淫のひとつ)でない方の飲用は、慎重にすべきで、人によっては禁忌である場合もあります。
現代医学や薬理研究において、涼茶に用いられている生薬は、抗菌・消炎・解熱・抗病毒(ウイルス)・免疫機能の調節などの作用があることが証明されました。
広東人が「涼茶」を飲む習慣は、清の道光時代に始まったと言われています。ところで、広東の人々が、なぜ「涼茶」を好んで飲むのか分かりますか?その理由は3つ、つまり、地理的な位置・気候・飲食習慣の三つが考えられます。
①地理的な位置について
広東は南方に位置し、「南」は中医五行学説で「火」に属します、《黄帝内経・陰陽応象大論》によれば、:南方生熱、熱生火。(南方は熱を生じ熱は火を生じる)。よって発病する病因病機には「火熱」・「暑熱」が多く見られます。
②気候について
広東は亜熱帯気候で、沿海地区、温暖で湿気の多い気候です、発病する病因病機は「湿温」・「湿熱」が多く見られます。
③飲食習慣について
飲食習慣とも関係が有ります。広東の人々は辛・辣・肥・甘・厚味、海鮮・山珍・野味などを好み、調理方法は煎・炒・炆・炸・炖・焼・烤などがあり、調理には、生姜・蒜・葱・胡椒・豆豉・花椒・八角など辛温燥熱の調味料をよく使います。
発病する病因病機は「燥熱」・「湿滞」が多く見られます。
広東地方では、民間において「涼茶」を飲むのはごく当たり前のことです。母が漢方薬局で買ってきた「涼茶」を家で煎じたものをを私も飲まされた記憶があります。現在は町のあちこちに「涼茶店」が点在しています。一杯一元の「涼茶」で飲めるのでとても便利です。
「黄振龍」は「涼茶店」です。
今回の記事はここまでにしたいと思いますが、今後機会があれば、内科・小児科・婦人科・男性病・外科など科別に「涼茶処方」を紹介したいと思っています!どうぞお楽しみに。