こんにちは。周です。
どうして漢方薬局に「堂」という名前が付いているのかご存じですか?
皆さんもお気づきだと思いますが、老舗の中薬店(漢方薬局の専門店)は大体「XX堂」と
名づけられています。例えば、中国北京の「同仁堂」、長沙の「九芝堂」、寧波の「寿仁堂」、済南の「宏済堂」、瀋陽の「天益堂」、貴陽の「同済堂」等など。
しかし、どうして「堂」なの?これには故事(エピソード)があります。
この故事は名医、張仲景と関わりがあります。張仲景は東漢時代(150~219年)、河南省南陽の人です。医術高明(医術が優れている)で、特に経方(方剤)に精通していて、民衆に尊敬されました。彼は湖南省長沙の「太守」(官位の名前)に命じられましたが、
その頃長沙に瘟疫が流行し、多くの人が亡くなったそうです。そんな状況を見て、彼は心を痛め、仕事の合間を利用し、患者の診察をし、「坐堂医生」を自称します。(医生=医者)
「坐堂医生」は彼の功名や地位に囚われず、民衆の為に力を尽くしたいと言う志を表す言葉です。
その後、有志の医者達は張仲景を模範とし、自分の中薬店を「XX堂」と名付け、張仲景医師のモラルを見習う決心を表したそうです。