こんにちは、李です。八綱弁証の虚実弁証を紹介します。
虚実弁証とは、病気の体に、気・血・津液など、人体を構成するものである正気(せいき)が虚弱しているかどうかと、人体の生理機能を邪魔する邪気(じゃき、外部から侵入したものを六淫と、体の中から生じる内生五邪や、瘀血、痰飲などを指す)が存在するかどうかの弁証です。正気が不足した状態を虚証(きょしょう)、正気は不足していないものの邪気が体に停滞した状態にあるものを実証(じっしょう)といいます。
虚実を弁別することで、病気の原因が正気の不足なのか、邪気の停滞によるものなのかを推測でき、治療方法の選択に大きく影響を与えます。 たとえば、陽気が不足した陽虚証に対して、補陽或は温陽することを中心に治療を行います。なお、外界から風寒などの邪気を受けたために、感冒(かぜ)を引いたのは実証で、治療は、風寒の邪気を発散する、辛温解表を中心に行います。
虚証と実証の症状はタイプによって様々ですが、比べられる特徴的な虚証の症状は、虚弱体質(先天不足、営養不良や持病などによる)で、病気の過程は比較的長く、慢性病に多い。症状は比較的穏やかで、熱のある場合は微熱、痛みの場合はシクシクして、綿々とした感じで、手を当てると軽減するなどです。
実証の特徴的な症状は、体力充実で、病気の過程は比較的短く、急性病に多い。症状は比較的激しく、煩躁して、呼吸が粗い。熱の場合は高熱が多く、痛みの場合は激痛が多く、手を当てると不快感が有るなどです。
虚証と実証は互いに変化したり、同時に現れたりすることがあります。 それは、正気と邪気の強さの変化及び正邪対抗の反映です。