こんにちは。李です。
今回は、気についてのまとめの話を致します。前回まで、六回にわたって、気の概念、気の生成、気の生理機能、気の分類、気の運動形式、そして、気の病証を紹介致しました。
気虚の場合、気の各生理機能が減退するため一連の症状が現れます。例えば、推動作用が弱まると、生長・発育の遅れ、或は早老現象が見られ、臓腑機能減退や血液の生成不足などを起こし、血虚証や血瘀証などになります。
温煦作用が弱まると、身体が温まらないので、畏寒、手足の冷え、体温低下、血と津液の運行遅緩などが見られます。防御作用が弱まると、衛気虚となり、外邪が侵入し易くなり、外感病になります。固摂作用が弱まると、摂血や摂津、固精の機能が失常し、各種の出血、自汗、多尿或は尿失禁、慢性下痢、遺精・滑精・早漏などが見られます。
気化作用が弱まると、各種の代謝に影響を与え、汗液・尿液・精液などの排泄や、飲食物の消化吸収能力などが低下します。
気の運動は、人体の生理活動に表れます。例えば、肺の呼吸(気の出入)、脾の昇清と胃の降濁(気の昇降)、肺の宣発粛降、脾胃の運化、腎の蒸騰気化などで水液の代謝をコントロールする事は、皆それぞれ臓腑の気の運動が司っています。気の運動では、昇降出入が協調平衡であれば、「気機調暢」(ききちょうちょう)といい、またその昇降出入が乱れると、「気機失調」(ききしっちょう)となります。「気機失調」では、前回紹介致しました気滞証(気の運動阻害)、気逆証(上昇し過ぎ或は下降の不足)、気陥証(上昇の不足或は下降し過ぎ)のほかに、気脱(気の外逸)、気結、気鬱、気閉(気が体内に溜まる)などがあります。
中医では、上記のように、気の運動変化で人体の複雑な生命活動基本原理を解釈し、気機失常の角度から人体が疾病になるメカニズムを認識します。なお、調和気機を疾病の治療手段とします。