こんにちは、李です。今回は、津液の生成と輸布について話をいたします。
津液の生成と輸布
津液の生成と輸布は多くの臓腑が共通して関与する複雑な生理過程です。
(1)津液の生成:津液は飲食水穀がもとになり、脾・胃・小腸の作用により生成されます。また、大腸も水分を吸収します(「小腸は液を主る」、「大腸は津を主る」という説があります)。
(2)津液の輸布と排泄:津液の輸送と排泄は脾・肺・腎などの協調作用により完成されます。津液の輸布は脾・肺・腎などの作用により、排泄は肺・腎・膀胱及び口・鼻・皮膚・二陰(尿道と肛門)の作用により行われます。
津と液の分布部位
津は主に腠理(そうり、皮下と筋肉の間の空隙)、膚、汗孔に分布し、液は関節、脳、髄などに注ぎます。各所に輸布された津液は孫絡(そんらく、細かい血管やリンパ管のこと)に進入し、経脈(大きい血管やリンパ管)に入ります。
脾・肺・腎などの臓腑津液の輸布と排泄時の作用
脾の津液の輸布に働く作用:運化機能により、津液を一方は肺に輸送し、もう一方は全身に拡散させます。これは脾の「散精」(さんせい)作用と呼ばれます。
肺の津液の輸布に働く作用:宣発作用により、津液を全身の体表に輸布し、粛降作用により、津液を腎と膀胱に輸送します。「肺は通調水道(つうちょうすいどう)」「肺は水の上源である」の説があります。
肺の津液の排泄作用に働く作用:体表に宣発された津液は汗孔により体外に排(汗)。腎、膀胱に輸送された津液は尿になって体外に排泄。そして、呼吸運動により一部の水分も体外に出されます。肺の津液に対する排泄作用はその津液に対する輸布作用と密接に関係があって、後者は前提条件となります。
腎の津液の輸布に働く作用:腎に貯蔵された精気は生命活動の原動力で、腎の精気の蒸発気化作用は胃の「精気を作る」、脾の「散精」、肺の「通調水道」、小腸の「清と濁を分別する」などの作用の動力になります。そして、肺から腎に輸送される 津 液は、腎の気化作用により、「清」は蒸発し、肺によって全身に拡散し、「濁」は膀胱に入り、尿になります。
腎の津液の排泄に働く作用:腎の気化作用により、膀胱の排尿をコントロールしま す。
三焦は津液が体内を流れ、輸布する通路です。
以上に述べたように、津液の代謝は、多くの臓器の調節が必要で、その中でも特に肺・脾・腎が重要です。この三つの臓器が失調すると、津液の生成、輸布、排泄に影響し、津液の代謝のバランスが崩れ、津液不足、流れの不条理などの病気が現れてきます。