こんにちは、周です。今回は方剤学の勉強のコツについての話です。
平成17年・18年生の皆さんは、カリキュラムの方剤学の講義を修了しましたが、恐らく皆さんは「方剤学って、難しい。覚えるのは大変だ」と感じた事でしょう。実は私も方剤学が苦手です。高先生に勉強方法を伺い、まとめてみましたので、ここで紹介します。
1、分類:主に4種類に分けられます。
①治病方 解表・瀉下・和解・清熱など。
②補益方 補血・補気・補陰・補陽など。
③体質方(兼・加症を含む)袪痰・瘀血・補益など。
④ 専門方 産婦人科・小児科など。
2、常用する基本方:多くの方剤は基本方をベースに加減したものです。
3、君・臣・佐・使薬:方剤組成の君薬を覚えれば、功能・主治も大体わかります。
4、対比(対照)記憶:功能相同と不同、例えば麻黄湯の麻黄・桂枝(功能相同)、四君子湯の人参・茯苓(功能不同)。
5、佐薬(佐制・佐助・反佐):上手く使いこなせば、事半功倍の効果が得られます。
以下は脾胃腸に常用する方剤である四君子湯、六君子湯、小建中湯、理中湯を例として、説明します。
①四君子湯、六君子湯は補益剤の基本方です。
四君子湯の君薬は人参ですので、補気剤の基本となっています。功能は益気健脾、主治は脾気虚です。六君子湯は益気健脾の四君子湯と和胃降逆の小半夏湯の合方で、功能は益気健脾・和胃降逆・理気化痰で、主治は脾胃気虚・痰湿(脾胃気虚兼痰湿あり)です。
②理中湯、小建中湯は温中散寒剤の基本方です。
理中湯の君薬は乾姜で、裏寒を除き、脾胃裏寒の証に用います。
小建中湯の君薬は膠飴で、それに桂枝湯の白芍を倍量し、温中補虚を主眼とし、脾虚に乗じて肝気が横逆した状態(肝気犯脾胃)に用います。
附:四君子湯、六君子湯、小建中湯、理中湯の組成(単位:g)
四君子湯:人参10、白朮・茯苓9、炙甘草6
六君子湯:人参10、白朮・茯苓9、炙甘草6、陳皮9、半夏12
小建中湯:芍薬18、桂枝9、炙甘草6、生姜10、大棗4、膠飴30
理中湯:人参6、乾姜5、炙甘草6、白朮9