こんにちは、李です。前回まで5回に渡って心と小腸の生理機能及び病証を紹介しましたが、自分で振り返って読んでみたら、専門的で、面白味がないので、続けて話すのをやめようかと思っていました。
しかし、日本校の卒業生や在校生の幾人かの方々に「李さんが書いたブログを呼んでいますよ、続けて書いて下さい」と励まされて、途中でやめる訳にはいかないと思いました。
でも、今回は、連休の前ということもありますし、たまには気分転換をするのも良いかと思い、軽めのお話しをする事にしました。
中国では良く「誉満杏林(よまんきょりん)」や「杏林春暖(きょりんしゅんだ
ん)」などの言葉を耳にしますが、この「杏林(きょりん)」の意味をご存知でしょうか?字面から見ると、「杏の林(あんずのはやし)」ですが、これは医術高明や、医徳高尚の喩えです。これは、中国の三国時代に櫨山というところに居た「董奉(とうほう)」とう名医に由来しています。
董奉は医術の高明で、医徳の高尚な医師でした。彼は病人を治療した後、謝礼などを受け取らず、その代わりに病気が治った人に記念として、診療所の庭に杏の苗を植えてもらうことにしました。病気の軽い患者には1本、重い患者には5本植えて貰いました。数年後、董奉の診療所の周りに杏の林ができ、毎年たくさんの杏を収穫出来るようになりました。そこで、杏を必要とする人々に穀物と交換してもらい、貰った穀物を穀倉に貯めて置きました。災害があった時、董奉はこの穀物を使い、被災者を救済しました。当地の人々は彼の行為に感動し、「誉満杏林」という扁額を彼に贈りました。
この話が現在まで伝わっており、良医のことを杏林と呼ぶようになりました。そして、今も医術が上手くて医徳の高尚な医師が「杏林高手」などの雅称を受けます。
専門的知識や技術に優れているだけではなく、立派な人格を持った良き医師は社会に大いに貢献することができますので、どこでもいつまでも求められています。皆様は社会に貢献するために中医学を勉強されていますでしょうか。
それでは、良い連休をお過ごし下さい。