こんにちは、周です。
前回は中医学と「五」の関係を紹介しましたが(詳しくは
2008年5月19日のブログをご参照下さい)、今回は「三」の関係を紹介します。
歴代の医家は古代哲学思想の影響をうけ、「三」を特に喜愛していまして、中医学理論には、沢山の「三」が出てきています。幾つかを紹介します。
三宝:「天有三宝日月星、地有三宝水火風、人三宝精気神」(天には太陽・月・星という三宝あり、大地には水・火・風の三宝、人には精・気・神の三宝あり)。中医学では精・気・神が人体の三宝であり、その三宝は三大生命要素を構成され、人体を養育し、三位一体となっていて、三者は互いに助け合い、切り離すことができないと考えています。「存則俱存、亡則俱亡」とも言います。
三焦:中医学では人体を一つの有機的整体と考え、臓腑の生理機能と部位によって、上・中・下に分けられています。《医学正伝》に記載してあります、「胸中盲膜之上、曰上焦。盲膜之下、臍之上、曰中焦。臍之下、曰下焦、総名為三焦」(横隔膜から上のものは上焦である。横隔膜から下、臍から上の上腹部は中焦である。胃から下の部位と臓器は下焦である)。三焦は六腑の一つであり、三焦の形については、歴代の医家の争論点となっていますが、生理機能については統一しています。
三因:古代三類病因の総称です。《金匱要略》に記載してあります、「千般災難、不越三条」(発病する原因は、三つに過ぎないである)。一つ目は六淫邪気の外因、二つ目は五臓情志の内因、三つ目は飲食労倦・外傷・虫や動物による傷の不内外因です。
三陰三陽病:医聖の張仲景先生の外感熱病に対する弁証法(六経弁証)です。六経の病証は陰陽に大別することができ、太陽病・少陽病・陽明病を三陽病、太陰病・厥陰病・少陰病を三陰病と言い、病変部位・性質・邪正の盛衰・病勢の趨向・伝変および治療法を示しています。
ほかにも、手足経絡の三陰三陽、脈診の上中下の三部と寸関尺の三部、小児指紋の風気命の三関、中薬の上中下の三品、医学の三字経等など、沢山あります。詳しく知りたい方は、是非北京中医薬大学日本校で勉強して下さい。スタッフ一同が、ご来校をお待ちしております。