こんにちは、周です。
今回は箸(中国語は筷子と書く)の話をします。
箸は東南アジア中心に広く用いられる食器(道具)です。元々中国語も「箸zhu」と書きますが、「住zhu」と同じ発音なので(古人の考えでは、住は停止の意味があるので、縁起が悪い)、その縁起悪さ(不吉利)を反して筷(たけかんむりに快)にし、筷子(kuai zi)と呼ぶようになりました。筷と書く訳は、以下の箸の逸話を読んでいただければ分かると思います(写真もご参照ください)。
大禹と筷子
この伝説は中国の東北地方で伝わっています。
洪水を治める大禹は毎日大忙しい、ご飯を食べる時間もありません。一分一秒の時間を有効に利用するため(熱い肉類などの食べ物は冷めるまで時間かかる)、煮えたぎった鍋から食べ物を2本の木の枝、或は細い竹(筷子)を使ったのが始まりと言われています。
姜子牙と筷子
この伝説は中国の四川省地方で伝わっています。
姜子牙は貧乏で、しかも魚釣りをする以外はなんにもできない人です。奥さんは一緒に生活するのが嫌になり、毒入り食べ物を姜子牙に食べさせ殺害し、ほかの人と再婚しようと考え、殺害計画を実行しました。彼は鳥の助けをもらったため、難を逃しました。ある日、竹の枝にいる鳥が姜子牙に、「手で物を食べてはいけません、竹を使って食べなさい」と鳴唱し、彼は言われた通り、2本の竹の枝(筷子)を使ってご飯を食べると、奥さんから出された毒入り食べ物の毒を検知でき、命が助かりました。以後、皆は彼に真似し、代々に伝わって、箸を使われるようになりました。この故事は真実ではありませんが、箸を使われるのは商代(約3000年前)からのことは本当ですよ。
ちなみに、2本の箸は中医学の陰陽説で陰陽に分けられると、動く方は陽で、動かない方は陰です。