北京中医薬大学日本校平成19年10月生・中医薬膳専科に在学中の野口 真紀です。
5月30日 東京都小平市「東京都薬用植物園」にて開催された、「日本中医食養学会」主催の『薬用植物観察会』に参加しました。東京在住ながら、本園については今回のイベントで初めて知りました。
当日は、5月下旬とは思えないような肌寒さ。小雨程度ですんだのが幸いでした。しかしながら、そんな寒さも半ば忘れるような、薬膳や中医学を学んでいる私にとっては、とても興味深いところでした。
観察会には、『神農本草経』などの古典にも大変明るい薬草の専門家でもある先生のガイド付き。どのようなことにも、丁寧に解説してくださいました。
植物園には、ほんとうにたくさんの植物があり、学校のテキストや漢方薬局でよく目にするいろいろな生薬を、生ある姿で直にみることができます。いつも文章や絵で見ているのとは違い、なんだか身近なものにかんじられ、また、自分がイメージしていた姿と実物があまりにも違って笑ってしまったりもしました。
たとえば、麻黄は、マオウという読みのせいもありますが、厳ついかんじに思っていたら、細くて繊細な植物でした。
婦人科系の症状によく使われる、補血薬の当帰は、私もときどきお世話になる生薬です。こちらもたくましいかんじをイメージしたのですが、実際は?写真がその当帰の花です。かわいらしい可憐な白い花をつけた女性的な印象を受けました。
乾燥した生薬の状態で目にするのも、もちろん勉強になりますが、さらにその前の状態。つまり、植物の気をかんじられる状態で直接触れながら、というのは、頭だけではなく感覚的にも学ぶことができるので、とてもよい勉強法だと思いました。
まだ中医学の勉強をはじめたばかりの私には、何度も訪れたい場所のひとつとなりました。
このような機会を作ってくださったことに、感謝いたします。