こんにちは、周です。
今回は《傷寒論》とその「論」の話です。
中国古代の中医学の書物には、《黄帝内経》と並んで、もう一部《傷寒論》という名著があります(前回
《黄帝内経》の話の際、触れていました)。ところで、どうして「論」と言うのかをご存じですか?
中国語で侖(lun)を発音する漢字は、次序・次第の意味を表わします。例えば、私達が次序ある言葉を語る、これは「言侖」で「論」と言います。人間は道徳(モラル)持ち行為をする、これは「人侖」で「倫」と言います。水も次序があります、一つ一つ散開する波紋(波)が水の次序を表れます、これは「水侖」で「淪」と言います。《傷寒論》は、疾病の変化の法則と、それに順応する治療法を論じる医書です。疾病の変化の基本法則は、太陽→陽明→少陽→太陰→少陰→厥陰です。変化の次序・次第ですので、「論」と称します。
《傷寒論》を勉強したい方には、この著作を研究し続けていた大塚敬節先生が書かれた「傷寒論解説」を薦めます。
《黄帝内経》は、代表的な貴族医学であり、長生・長寿を追求します、医理が扶陽固本で、手段が個性を強調する養生ですから、薬を用いるのは極めて少ないです。《傷寒論》の時代になると、医学の進歩及び人々の生活スタイルの著しい変化につれて、養生だけではなく、治病も主要課題となり、《傷寒論》が生まれました。平民医学に偉大な貢献があった為、後世の人々は、著者の張仲景氏を、医宗の聖人として崇められ、「医聖」呼びようになりました。
張仲景に関する記事は、以前のブログにも書きましたので、ご参照ください。
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