こんにちは、李です。今回は、
脾の
生理特徴及び
胃の
生理機能を紹介致します。
脾の生理特徴:
1.脾は燥を好み、湿を嫌う:
脾は水液を運化し、体内の水液代謝のバランスを保つという重要な働きがあります。脾が虚弱すると、運化する能力が衰えて、湿邪が生じます(水液代謝がうまくされない為、いろんな形で身体に溜まっているものを「しつじゃ」と言います)。一方、湿邪が盛んになると脾に悪影響を与えます。湿邪により脾がやられることは「湿困脾土」といいます。頭が重い、腹が張る、口が粘り渇かないなどの症状が見られます。脾気が虚弱で水湿が溜まることは「脾病生湿」といいます。
2.脾気は夏と関係ある:
脾気は夏に一番盛んになり、脾臓の生理機能活動は夏の陰陽変化に呼応しています。
また、脾は中央方位で、湿、土、黄色、甘味などと内在関係があります。
胃の生理機能:
1.胃は水穀を受ける:食べ物は口から入って食道を通って胃に納まります。なので、胃を「太倉」、「水穀の海」とも呼びます。人体の生理活動と気血津液の生成は皆食べ物の栄養に頼っています。
2.胃は水穀を消化する:胃で食べ物は初歩的に消化されます。
胃の水穀を受け、消化する機能は脾の運化機能と合わせて働きます。脾胃の協力により水穀は精微(栄養物質)になり、気血津液と化し、全身を滋養するわけです。というわけで、脾胃をあわせて「後天の本、気血生化の源」と言います。
3.胃は下降を主る:食べ物は胃に入り、初歩的に消化されて、小腸に送られ、小腸で清と濁に分けられ、濁は大腸に送られ、大便として排泄されます。これらは胃気の下降作用により完成されます。なので、胃は下降を順路とします。中医学の臓象学説は脾・胃の上昇・下降で消化系統の生理機能を概括しています。
中医学では、「胃気」も重視しています。「胃気は人の本」と考えるからです。胃気が強ければ五臓が盛んに、弱ければ五臓も衰えます。「胃気」は一つには胃の生理機能と生理特徴を指しています。もう一つは脾胃の機能が脉象上の反映、即ち脉の速いか、緩いかなどの現象を指しています。脾胃には食べ物を消化し、精微を取り、全身を栄養する作用があり、精微は経脉によって輸送されるので、胃気の盛衰は脉象に現れるかわです。
今回はこれで終わりにします。次回は、脾と胃の関係について少し詳しく紹介したいと思います。