こんにちは、周です。今回は諺の由来の話です。
「人心不足蛇呑象」(人間の貪欲さは、まるで蛇が象を呑み込もうとする)は、広州人が「欲望は底なしである」人を風刺する諺です。この諺には故事があります。
象という幼い頃に、父親亡くされた子供が居まして、母親と二人で貧しい生活をしていました。その子はとても思いやりがある、親孝行な子です。ある日、象が塾(学校)の帰り道で、可憐な小蛇を見かけ、家に持って帰って飼うようにしました。歳月を経て、小蛇も、象も大きくなり、象の母親も年を取り、老婦人になりました。
その後、母親は原因不明な肝臓病を患い、診察を受け、大蛇の肝臓を引薬(引経薬)として使用する方剤を処方されました。それは象に悩まされました、どこから大蛇の肝臓を入手するの?と考えた挙句、標的は自分の目の前にいる、朝夕相処(毎日一緒にいる)の蛇にしました。すると、象は蛇の許しをもらい、口を大きく開けた蛇の腹に入り、肝臓を少し切り取りました。のちに、母親は大蛇の肝臓の引薬入りの湯薬を服用し、治りましたが、息子の象は完治することを信じていませんでした。不安と心配で、余分な大蛇の肝臓を切り取ろうと、再び蛇の腹に入り、1片(塊)、1片、又1片、全部で5・6枚位を切り取ったが、まだまだ足りないと思って、止まることがなく切りました。大蛇が死ぬほど痛くて、地面でゴロゴロ転がりましたが、象は全然気にせず、ひたすら切り続きました。仕方がなく、蛇は口を閉じ、象を呑み込みました、象は生きたままで蛇の腹で死にました。
それは「人心不足蛇呑象」の由来だそうです。
ちなみに、反対語は「知足常楽」です。