こんにちは、周です。今回は中薬―黄芩の話を致します。
黄芩はシソ科Labiataeのコガネバナの根ですが、老根で内部が黒く空洞になったものを枯黄芩と称します。性味は苦、寒で、肺、胃、胆、大腸経に帰経します。清熱燥湿、瀉火解毒、安胎作用があり、黄疸、泄瀉、熱淋、瘡瘍、急性熱病、肺熱咳嗽、熱性出血等に常用され、特に肺熱を清泄に長じます、上中二焦の湿熱火邪に適しています。
ところで、何故、黄芩の内部が黒く空洞なの?伝説があります。
中国四川省のある奥山に、恵まれない姉妹が居ました。姉の名前は黄芩、妹は黄連と言います、幼い頃に両親を亡くしました。臨終の母親は黄芩に、黄連の面倒をよくみるように、遺言を残しました。
最初の頃は姉が文句なしで妹の面倒を見ましたが、徐々に妹を邪魔ものだと思い、ついに見捨ててしまい、一人で自分の幸福を探しに行きました。その後、可哀そうな、病弱な黄連が山の中に餓死、凍死しました。のちに黄連が死んだところに小さい草がたくさん生えてきました、その草は弱弱しい黄連の身形(体形)によく似ていましたので、黄連と名付けられました。妹の黄連は一生に苦寒(生活が貧しい)だから、その草の性味も極めて苦寒であるそうです。
一方、姉の黄芩の方は、妹の黄連を見捨てた以来、幸せを手に入れることができましたが、幼い黄連に申し訳ない気持ちが一杯で、夜寝る時にも、悪夢を見る連続でした、暫くすると、精神的に虚しくて亡くなりました。黄連と同様、黄芩が死んだところに小さい草がたくさん生えてきました、この草の根も黄色で、若根であれば内が充実しますが、少し成長すると(老根)、内部が黒く空洞になります、皆はその草が姉の黄芩の化身だと思い、黄芩と呼ぶようになりました。