人気ブログランキング |

日本中医学院ブログ


2019年 12月 03日 ( 1 )



今年の北京薬膳研修のレポート

大変遅くなりましたが、今年の10月下旬に北京の大学及び大学病院での研修をレポートしたいと思います。病院での臨床研修は毎年行っておりますが、大学にての薬膳研修は3年ぶりでした。なので、薬膳の研修内容を報告したいと思います。

大学のメインキャンパスが郊外にある良郷に移転したため、市内のキャンパスには実習できる場所がなくなりました。そのため、今回は国際学院の教室を借りて2.5日座学だけ実施いたしました。

  講義して頂きましたのは、北京中医薬大学中医養生康復学部(中国では“系”と言います)の林殷教授とその弟子だった張聡副教授です。日本中医学院教務担当者の李が通訳を務めました。主な内容は、中医食療と薬膳について、詳しく説明して頂いたうえ、糖尿病・高血圧・慢性咳喘・胃痛・婦人科常見病証(生理痛と更年期障害)・中風病の飲食調理、粥方の作り方、美容の常用方などを紹介して頂きました。14名の参加者は、時々質問したり、スクリーンの画面を写真でおさめたり、興味津々と最後まで聴講されました。

今年の北京薬膳研修のレポート_f0138875_14063571.jpg

林殷教授は、19841987年に趙紹琴教授に師事して温病学を専攻し修士学位を獲得され、20002003年に魯兆麟教授に師事し医史文献を専攻し博士学位を獲得されました。なお、1987年からは北京中医薬大学中医養生康復学部の教師であり、20052015年までは中医養生康復学部の主任を務めされました。現在は同学部の博士指導教員です。中国老年学及び老年医学学会の常務理事、中国老年学及び老年医学学会の保健康復分会副会長、世界中医薬学会連合会の中医治未病専門委員会の常務理事、中国食品薬品監督管理総局保健食品評論専門家、国家科学技術部専門員等々多くの職務を担任されています。『中西医康復医学』、『中医養生康復学』、『中医養生保健研究』、『儒家文化と中医学』など教材の主編や副主編、「北京市民養生観念及び方法の規範化研究」、「北京薬膳文化現状・問題と対策研究」、「当面の養生ホットな話題に若干問題についての分析」、「古今薬膳名称考証」、「茶解薬毒考弁」、「辟谷非平人養生法考弁」などの論文や専門著作を出されました。現在の主な研究課題は中医養生康復の理論と応用などです。

今年の北京薬膳研修のレポート_f0138875_14071031.jpg

張聡副教授は林教授の下で中医養生康復及び営養に関する研究を経て、現在は臨床・教育・研究などの分野で活躍されています。針と薬の結合で神経系疾患・骨関節系の常見する疾患・慢性疼痛などの治療に長じます。なお、現代康復と伝統的な康復療法を合わせて、個々の治療プランを立て、薬膳食療法で亜健康(半健康状態)・疾病の補助治療及び日常的な養生などの指導をされています。

ここで、一日目の総論(中医食療と薬膳について)の内容の一部を紹介いたしましょう。

総論には、食療と薬膳、養生学などの概念や、飲食の養生作用、飲食の調養原則を紹介し、中国古代の食療学の専門著作(専編)も紹介して頂きました。

「薬食同源」はよく知られるが、薬と食は異なることも常に頭に入れて欲しいです。

テキスト『中薬学』で紹介された生薬に、平性のものは22.17%、鉱物類は10.85%、有毒者のものは9.4%占めるのに対して、『中医飲食営養学』で紹介された食材に、平性のものは36.79%(1/3以上)、鉱物類は食塩の1種だけ、ほとんど無毒或は調理で毒性がなくなるものです。

今年の北京薬膳研修のレポート_f0138875_14115072.jpeg

「薬以祛之、食以随之」(『素問・五常政大論』)、その意味は、薬で病邪を取り除く、食で後についていく。

「大毒治病、十去其六;常毒治病、十去其七;小毒治病、十去其八;無毒治病、十去其九;穀果蔬菜、食尽養之、無使過之而傷其正也。」(『素問・五常政大論』)

なお、中国は古くから、「膳」という字を「美食」とされています。中医の古典には、「薬膳」という名詞はありませんでした。しかし、食材を薬(方剤)に入れる、薬材を膳食にいれるっとの記載は多くあります。

薬材を膳食に入れて、組み立てた「膳食方」は、「食治」や「食療」を称し、一般的に慢性病の養生に使われますが、健康人にあまり使われないです。

今年の北京薬膳研修のレポート_f0138875_14123832.jpg

最後は、飲食養生の原則を下記に紹介して、今回のレポートを終りにしましょう:

1.合理的な配伍(種類と性味)

『素問・蔵気法時論』に「五穀為養、五果為助、五畜為益、五菜為充、気味合而服之以補益精気」との記載があります。

異なる食材はそれぞれの役割があるので、バランス良く撮ることは大事です。

2.飲食有節(規則正しく食事する)
 脾胃の輸布と運化を正常に保つため、定時的に、適量と適切な温度で食べることを強調しています。

     3.三因制宜
     因人・因地・因時施膳の重要性。

     4.飲食の保健
     食事の速度について「緩」が宜しい――ゆっくり噛むこと。「食物有三化:一火化、爛煮也;一口化、細嚼(しゃく)也;一腹化、入胃自化也。」(『華陀食論』、『老老恒言』)

    食事は専念するのが宜しい――おしゃべりしないこと。「食不言」(『論語・郷党』)

    食事に「楽」が宜しい――音楽を聴きながら食事をとること。「脾好音声、聞声即動而磨食」(『壽世保元』)



(李)


by jbucm | 2019-12-03 14:02 | 研修旅行

    

日本中医学院が運営するブログです
by jbucm
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリ
以前の記事
2020年 08月
2020年 02月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 08月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
お気に入りブログ
メモ帳
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧