高脂血症とは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多すぎのことを指します。総コレステロールやLDLコレステロールが基準値よりも高すぎても、逆にHDLコレステロール(善玉コレステロール)の値が低すぎても、動脈硬化を引き起こすリスク因子になります。
高脂血症は基本的に症状が現れないことが多いです。そのまま放置していると、動脈硬化が進み、冠心病(冠動脈疾患)・狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの病気を起こしやすくなります。
中医学では、膏濁に属します。以下の病因病機があります。
①飲食不当(飲食の不適切)
②多静少動(座って、運動は少ない)
③情志
④年老体衰、腎爲主、脾肝也有関係(年を取ると身体は衰弱する、主に腎で、脾・肝も関係している)
⑤体質稟賦(体質、遺伝)
水穀精微を輸布・運化が異常となっています。膏脂も水液の一種であり、津液代謝は主に脾(主運化)・肝(主疏泄)・腎(主水液)、三臓が関与しています。
病位は脾であり、肝と腎にも密接な関係があります。
予防するためには食生活などの生活習慣に配慮することが大切です。肉や卵などの動物性脂肪、お菓子やアルコールなどの摂りすぎを控えるようにしましょう。一方、野菜などの食物繊維や青魚、大豆製品は血清脂質値を下げ、動脈硬化予防にもつながるため、積極的に摂取するようにしましょう。また、食生活以外の点では適度な運動が効果的です。体を動かすことにより体重管理に効果が期待できるほか、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の増加にも役立ちます。
飲食宜忌を紹介します。
1,忌食高脂食物(脂肪が多く含む食品は食べない。例えば動物性油脂を避けて、植物油にする、例えば豆油・ごま油・玉米油・菜油・サラダ油・落花油・米油)
2,忌食高コレステロール食物(高コレステロール食物は控える、例えば肉・玉子・牛乳)
3,低糖飲食、少食含糖高的水果(糖分が高い果物はできるだけ食べない、例えば柿・葡萄・バナナ)
4,酒と煙草を避ける
5,飲食宜清淡(さっぱりした料理)、素食
中医学では、高脂血症は主に4つの証(湿濁内阻・脾胃両虚・痰食阻滞・瘀血阻滞)を弁証します。施膳する際はそれぞれの証に合わせて方針(献立)を立てます。ここでは省略します。
ご興味がございましたら、是非当校へご入学下さい。
高脂血症に効果があるお茶(2つ)を紹介します。
1、減肥消脂飲 各種(証)に適用します。
組成:焦山楂15g、荷葉8g、生大黄5g、生黄耆15g、生姜2片、生甘草3g
2、菊花山楂茶 瘀血阻滞(証)に適用します。
組成:菊花・生山楂 各15~20g